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第2話 出会い
『ルル』
薬草採取をしに森へ向かっていた女顏の青年、ルル。
彼はちょうど良い群生地をみつけて、長い青髪を揺らしながら、辺りを歩き回る。
青年にしては細い指で、その辺りに生えていた薬草をつまんで、痛まないようにそっと摘み取った。
ルルはそこで、しばらくその繰り返しを行っていた。
薬草の採取を続けながらさらに奥へと向かうルルは、茂みの奥で人が倒れているのを発見した。
「君っ、大丈夫か!?」
ルルはすぐに駆け寄って、問いかけを発した。
だが、倒れていた人物からの応答はなかった。
意識はある。
けれど、彼は茫然自失とした様子で、喋る事ができないようだった。
「すぐにお医者さんに見せないと」
ルルは その人物を背負って元来た道を戻り始めていた。