嵐
おれのこころは 嵐に揺れ
吹雪き 炎を突き上げる
青を貫く入道雲は
夜に煙り
夏は終わりを告げたことを知る
折れた鉛筆の芯は
宙を跳ね
もう二度とはここには戻らない
おれのこころは 嵐に揺れ
叫び 地面を蹴りつける
醜く歪んだ赤子のように
涙に暮れ
愚かに正しく絶望する
何故 人は
忘れてしまうのだ
己が内に嵐を飼っていた
長閑で残酷な春の日々を
金木犀に絶命させられ
気付けば一面
白色の雪景色
嵐を呼べ
嵐を呼べ
嵐を呼べ
嵐を呼べ
揺れぬ世界の未練を断て