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月を眺める老人の夢

作者: oct

ただの文字の羅列です、意味はわかりません。

 静かな湖畔の小さな家で、老人は椅子に腰かけながら月を眺めている。

湖畔の向こう側は明日が始まる場所であり、こちら側は今日が終わる場所だ。

今日、私はどう生きただろうか。今日食べた命のことさえ私はもう忘れている。

明日、私はどう生きるのだろうか、来るかもわからない明日のことを私は毎日思っている。

若い時は良かった、夢を持ち、友を持ち、恋をして、壊し、壊され、私は確実に生きていた。

新鮮な毎日は何よりも私を支え、残虐な毎日が何より私を生かし、退屈な時間が何より私に老いを与える。


 時間、それは命に均等に与えられた唯一のものだ。時間を持つからこそ命なのだ。

その時間が私に老いを与える、それは私がそろそろ、命もつ生命から肉の塊になることを意味しているのだろう。


 月は一体何人の人間を看取ってきたのだろう。年老いてから、この湖畔に住んでからどうしても、月に惹かれるのは、私は昔、月を目指した若者だったからだろうか。いや、きっと月が周期的な変化しか与えられず、表面だけ認知さえている、悲しい無機物だからなのだろう。


 これはきっと夢なのだ。

 

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― 新着の感想 ―
[一言] 思い悩んだ日々さえも、老いた年には確かに生きてきたことの証になる……という部分が、心に染み渡る言葉でした。月のひかりがそっと射すように。 素敵な作品だと思います。静かな深さを感じました。
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