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第1章 赤

第1章 赤



「なんで…どうして…。僕がこんな目に…」


「つべこべ言わず歩く!次の村までまだ半日は歩くよ」


「嘘だ。ってか…なんなんだよ。どうしてこうなってしまったんだ」


「はぁ〜⁉︎知らないわよ!あんたの事なんか!そんな事よりもっとシャキシャキ歩けないの⁉︎」


「無理です。。。」



僕の名前は星山 夜空。


普通の地方の学校を出て、母親と同じ仕事をするために東京へ上京。

毎日、バイトと夢へ向かって日々鍛錬しておりました。


僕の夢ですか⁉︎

お恥ずかしいのですが占い師として食べていけたらな〜と考えております。

まだまだ半人前なんで弟子入りして先生のお手伝いをしておりました。


そんな少し変わった夢を持っている僕ですが、いたって普通の人生を送ってた…はずなのに……。



「あんたさ〜。なんなのその格好?ムスタングかポロメリア辺りの最新ファッション?」



この先程からズケズケと人の領域に土足で踏み込んで来るコチラの女性は


キンシーさんと言う方らしい。


《らしい》と言うのもつい先程知り合って、今何故か一緒に歩いている。



黒いローブと呼ばれるような物を着ており、腰には刀風の物をぶら下げている。

手には木で出来た箱のような物と、背中にも荷物を少し背負ってる。



背丈は僕と変わらないくらいで、とてもスラっとしていて。

鼻筋もスッと通り、目は切れ長だがタレ目で普段女性と接点のない僕には美人としか言い表せない。



何より特徴的なのが《真っ赤な髪》と《金の瞳》。


海外の人でもこんな容姿の人いないんじゃないか…

最初は髪を染めたり、カラコン入れたりしてるのか?と思ったが、その話をすると…いきなり冷たく…



「やめて。私、髪と目の事言われるの嫌いだから。」



先程から人の事をズケズケと好き放題言ってた人が自分の事になると…


なんたる自己中!!!


まぁ〜コンプレックスのようですが。


黙ってればかなり美人なのに…喋り出すと残念な人に…。




「でさ〜。あんたは何しにこんな森の中を彷徨ってたわけ?もしオークなんかに出会ったら、あんたの特徴の無い顔はズタボロよ」



完璧に僕の容姿をバカにしている。

ってかさっきからこの人はよくわからない事を言っている。



「そもそもオークって実在しませんよね?ってか、ここは何処の田舎なんですか?」



「はぁ?あんたちょっとヤバい薬やってる?

まぁ〜田舎なのはわかるけど、一応あと10日も歩けば欲の都ポロメリアよ」



「えっと……。…オークが実在すると言う返答で良いのでしょうか?」



「あんたホントに見た事ないの?どこの田舎からやって来てれば…

……あれ⁉︎もしかしてアルゴルン育ちのお坊ちゃん?」



「ですから…先程からゴルゴンやらポロなんとかとはなんですか?お店の名前ですか?」



「あんたマジで言ってるの?ユーフォニア王国の五大都市よ⁉︎」



「ユーフォニア王国⁉︎まず!それはどこにある国なんですか⁉︎ヨーロッパ?」



「はぁ?ヨーロッパ?なんの呪文?あんたもしかして薬物漬けのキャスター?」



「ちょ…ちょっと待って下さい!!僕は正直にここがどこかわからないんですよ!

あのイタリア人の方を占ってたら…。気が付いたらこの森の中に!」



「占い?ならあんたやっぱりキャスターじゃん!

で!誰か占ってたら森に飛ばされたのね?それってどんな奴よ?」



彼女は興味深かそうに聞いて来た。




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