お家騒動とメイドとタイツ5 ドキドキッ!メイドとお風呂とメイド
日が沈み始めた頃ようやくストーク領の城壁が見えた。広大な穀倉地帯を抜け門の前に着く。本来ならハンニンのような不審者は入ることはできないが、お貴族様の「鶴の一声」ですんなり入ることができた。城壁の警備隊はかなり警戒しているが構っていられない。
大通りを抜け、屋敷に到着する。屋敷?城・・・どちらかというと要塞といった面持ちだ。なんでもユール領が突破されれば、ストーク領が最前線になるためこの様な作りになっているのだとか。
「私は父上に報告へ上がります。部屋については私の裁量で使える物しか用意できませんため質素な部屋となってしまいますがお許しください」
細かい指示などを屋敷の者に出して早々に居なくなってしまう。何はともあれ今日はゆっくりできる。そう、個室を与えられたのだ・・・!個室である!こちらの世界に来てから脳内で作られた『やらなければいけない』リスト。それをいったいいくつ消化できるのか。
「そう、義務なのだ・・・。強いられているんだ・・・!」
私に付けられたメイドさんを見る。おっぱいが大きい。おっぱいの大きいメイドさん。黒目黒髪でジト目。髪を後ろで纏め上げ、毛先が上向きになっている。何より自分と同じく耳がとがっている。エルフさんかな?自分より幾分短いがとてもかわいらしい。うむ!カワイイ!
「何か?」
「失礼いたしました。自分以外のエルフを見たのが初めてでして。無遠慮に見てしまい申し訳ありません」
「・・・私は貴方様のような純粋なエルフではありません。ハーフエルフ、いえクォーターエルフです」
「そうでしたか。私はお恥ずかしい話なのですが、常識が全く分からないのです。教えるまでもない常識や文化などが全く分からなく、困っているのです・・・。私は恐らく領主様と謁見することになると思います。明日以降でかまいません、私に常識を教えていただけませんか?」
「・・・かしこまりました。本日はいかがいたしますか」
「ありがとうございます。湯浴みをしたいのです。後、できれば下着を用意していただきたいです」
「かしこまりました。湯浴みについては湯船を用意しております。ご希望であればお付きのものを用意いたしますがご希望されますか?」
「いえ、一人で・・・やっぱりお願いします。出来ればあなたに付いていただきたいのですがよろしいでしょうか」
「そちらはかまいませんが・・・?」
「実は私は余り多くの目に触れないほうがいいのです。このたびアレック様が急に戻られた理由に触れるため詳しく話せないのですが・・・」
「かしこまりました。下着については湯浴み中に用意させておきます、湯船はこちらとなります」
「ありがとうございます」
うおっしゃああああああああ!巨乳エルフメイドさんと一緒のお風呂来たああああ!褒めたい!自分を褒めてあげたい!自然に混浴(?)にもっていけたあああああ!ひゃっはー!ご褒美はお風呂だああああ!
テンションが振り切れて天元突破である!
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「脱げない・・・」
「・・・どうやって着たのですか?」
クリック&ドロップでキャラクターに着せたとは言えない。
「その、着せてもらいました。髪もです。見ていたので自分一人でもできると思っていました」
「お手伝いいたします」
このメイドさんから見た自分はどういう設定なのだろう。今のやり取りだけ見るとどこぞのお嬢様みたいだ。今後どのように振る舞うか思案のしどころだな。だが今はもっと大切なことがある。
わかっていたがでかい。服を着ていても自己主張の激しい自分の胸。美しい。これはいいものだ。
「ありがとうございます」
自然に声が出てしまう。すべてのおっぱいに感謝を!ありがとう!ありがとう!
「いえ、仕事ですので」
笑ってごまかす。メイドさんもメイド服を脱いでこちらに並ぶ。白い貫頭衣のようなものを着ている。濡れスケか。スケスケになるのか・・・!
「ほああああああああ!」
「あなたはこっちです!」
遠くで奇声が聞こえたが、気にしない。些末なことだ。
頭、体と洗っていく。自分のいろんなところに★大☆興★奮☆背中を洗ってくれる時に先っちょが当たる。先っちょが・・・!当たる・・・!思考回路はショート寸前である。だが負けない!言うのだ!言え!勇気を出して言え!
「あの、私も自分以外の他の人を洗ってみたいのですが・・・」
言った!言ったぞ!偉い!頑張った!自分頑張った!褒めていい!前の世界では何一つ頑張ることのできなかった自分。だが、今の自分は違う!その頑張りの成果は!
「・・・では、背中を流していただけますか?」
「はい!」
振り返り、満面の笑みで答える。そして振り返った先には・・・。
顔に張り付く黒髪、どこか困ったような、しかし慈愛に満ちた優しい顔をしたメイドさ・・・いや女神様。濡れてスケスケになった貫頭衣。立体的に体に張り付き全てを浮き彫りにする。隠れているのに隠れていない。この世にこれより美しいものはないのではないだろうか。
貫頭衣を脱ぎ、場所を変わる。美しい白い柔肌が目の前にさらされる。★大☆興★奮☆である。力加減がわからない。背中を軽くこする。
「あの、力加減はどうでしょう?」
「もう少し強くしたほうがいいかもしれませんね」
「はい!」
夢の時間は終わりの時を迎えてしまう。
「ありがとうございます、湯船に入りましょう」
「はい!」
夢の時間は終わらない!洗いっこという素晴らしい体験をした!だが、まだ終わらないのだ!
湯船につかる。夢が、世界中の夢が詰まった物が合計4つ、湯船に浮かんでいる。おっぱいは湯船に浮かぶんだ!
「大きいですね」
おもむろにメイドさんのおっぱいを揉む。揉む。揉む。今宵の自分は大胆である。揉んだ時に押し返すような、包み込むような感触。人の夢はこんなにも優しいのだ。なぜ人は争うのか。この優しさを掴むために争うのだろうか。こんなにも優しく、美しいというのに。
「貴女もかなり大きいと思いますよ」
揉み返される。くすぐったい。おっぱいの揉みあいっこ。この世にこんな素晴らしい言葉があるなんて・・・!人はなぜ争うのか。こんなにも素晴らしい言葉があると言うのに。
夢の時間は終わりの時を迎える。名残惜しい。体をふき用意された下着と着物を身に着けていく。ぶらじゃーなる下着を着けるとき、メイドさんが丁寧に付け方を教えてくれる。
「くそ!突破された!そいつを止めろ!」
「うひょー!」
怒声と奇声が聞こえてくる。賊でも侵入したのだろうか。物騒だなー。現実逃避をしてみるが何となく、いやしっかりとした確信として今起きていることが予測できる。
「ほう!」
残念だったな。湯船を上がり、もう着替え終わったところだよ。変態が脱衣所に侵入してくる。無言でナイフを構えるメイドさん。何処から出したのだろう。刺し違えてでも、という覚悟が顔から見て取れる。止めねば。
「そいつを止めろ!」
大声を上げて入ってくる兵士さん。何となく嬉しそうである。
明かされるTSメイドの種族。
文字量が一番多い。他意はない。