お家騒動とメイドとタイツ17
遅くなりました。
その日、一人の貴族が病死したとストーク領で告知が行われた。公爵家としては小さく、ひっそりと葬儀の準備が進められた。
騎士団、襲撃を受けた者たちには事の真相が伝えられたが、箝口令が敷かれ遺族に真相は伝えられなかった。
そして、伝えられなかった真実が一つ。そう、モードがやらかした騒動の一つでもある。
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「モードさん、これはいったい・・・」
かつて弟だった人物を見て、思わず漏れてしまう。
「毒薬の中身をすり替えておきました!」
いい仕事をしと言わんばかりの笑顔で告げるモードさん。思考が追い付かない。父上も何かを言おうとして、何も言えずにいる。
確かに弟はもうこの世にいない。そういう意味では弟、クレオは確かに死んだのだろう。思いもよらない方法で、いや、人智を超えた方法で全てをひっくり返してしまった。
「ちゃんと話し合ってください。家族が家族を信じて話し合ったとき、大体の問題はきちんと解決できるものですよ」
そう言って部屋を出ていくモードさんとハンニンさん。
「まさか、息子が・・・娘になるとは思わなかった」
父上、自分も弟が妹になるとは思いませんでしたよ。
「クレオは、いったい何を飲んだというのだ。性別が変わる薬など聞いたことがない。お伽噺にすら聞いたことはない」
「私も聞いたことはありません。ですが、これで騎士たちに対して筋を通すことができます。少なくともクレオもうこの世にいません」
寝息を立てているクレオになんだか腹が立ってきた。随分と可愛らしい顔になったものだ。これからの処理を考えると頭が痛くなってくる。目を覚ましたら拳骨の一つでも落とすとしよう。
「あのメイドは、悪魔だったりするのか?私は頭が痛い」
「・・・」
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いい仕事をした!TS貴族令嬢の爆誕である!ゲームで作っていたキャラクター再メイキング用のアイテムが作れるとは思わなかった。
キャラクターの再メイキング自体は課金アイテムを使わなくても行えた。だが使えるパーツがしょぼすぎて、結局は課金をすることになる。
「さて、面倒なことになりそうなのでここを出るとしましょう」
「ほに?」
これ以上頭など1ミリも使いたくない。何より、冒険者、もといいハンターになって虐げられている美少女奴隷ちゃんを買わないといけないのだ。お約束を外すことはできないのだ。強いられているのだ。
「モードさん!」
扉を勢いよく開けて入ってきたモータン。すっごく、たゆんたゆんしてる。すごく揉みたい。
「先ほどは申し訳ありませんでした!」
頭を地につけて謝罪するモータン。いや、頭は地についていない。土下座ではあるが、下げた頭がおっぱいについて床に頭がつけられないのだ。すげぇ・・・、おっぱい枕だ。
「いえ、おきになさ「ひゃああああ!?」
土下座をしていたモータンの後ろに回り込んで、スカートをめくるハンニン。たまらず悲鳴を上げて飛び上がるモータンのおっぱいがゆれるゆれる。
「落ち着いてください」
落ち着きのないおっぱいを揉む。
「うぅ・・・」
何か言いたいのだろうが、謝りに来た手前何も言えないようなので、そのまま揉むことにする。
モータンのスカートを下から覗くハンニン。おっぱいを揉む自分。涙目のモータン。
「貴女を呼びに来ると、いつも誰かの胸をもんでいる気がします」
そう言って現れたカララさん。半眼でこちらを見ている。ハンニン程メンタルが強くないのでおっぱいから手を放す。名残惜しい・・・。名残惜しい!
「あ、あの、無言で近づかれると怖いのですが・・・」
にっこり微笑んでカララさんに近づく。後ろからホッとした様な気配が伝わってくる。そういえば猫獣人がいるというのに耳や尻尾をもふもふしていなかった。
お約束を守る自分としては大失態である。
「し、失礼しました!」
逃げるカララさん。しかし まわりこまれてしまった!
「なんでそんなに早いんですか!?」
「・・・可愛いしっぽですね!」
お姫様抱っこよろしくカララさんを持ち上げてベットに運ぶ。ふははははは!もふもふしてくれるわ!
「ひう」
尻尾をなでるとかわいい悲鳴を上げるカララさん。大 興 奮である。
もふもふ
「はぁうん・・・」
もふもふ
「ふぅ・・・ぐ」
もふもふ
「んんん~~~~~!」
もふもふする度に、艶っぽい声を上げるカララさん。止まらない、止められない。
すぱーん!
頭を思いっきり叩かれて、我に返る。
「はっ!」
「ドアを全開にして何をしているんですか!モータンも止めなさい!」
「で、でもぉ・・・」
ぐったりしているカララさんが可愛い。そしてちょっと怖いオフィーリアさん。ここは素直に謝ったほうがよさそうだ。
「ごめんなさい」
「それはカララに言ってください」
「はい」
うーん怒られてしまった。ちょっと調子に乗りすぎた。というか、ここ最近自分の感情を制御できない。なんでだろう?異世界ということで、テンションが上がっているのだろうか?冷静になってみるとここ最近の自分の行動があまりにもおっぱいすぎる。
「本当にごめんなさい。自分が自分でないようで、ここ最近感情をうまく制御できません」
なんだかふわふわしているような気がするのだ。
「それはいつ頃からですか?」
「この屋敷についたころからです」
何か心当たりがあるのだろうか。
投稿ペースが落ちそうです。
二千文字程度なのにかなり時間がかかってしまう。
投稿ペースの早い作家さんたちが改めてすごいと思ってしまった。
どうやったらあんなに早く書けるんだろう。