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お家騒動とメイドとタイツ14

 

 窓から音もなく自室に戻る。静穏性の高い変態だ。寝る前に一仕事するとしよう。ポーションの調合セットを呼び出し、採取してきた薬草をゴリゴリすりつぶしていく。悪くない香りだ。ローソクに混ぜてアロマキャンドルを作ってみるのもいいかもしれない。


「誰も死なない、都合のいいハッピーエンドを迎えられると思う?」


 ふと気になり、尋ねてみる。今回の件でハンニンにも思うところはあるはずだ。思えばハンニンは基本的に受動的であり、余り自分の意見を出してきてはいない。だから気になってしまった。何を望んでいるのかを。


「ほに!」


 サムズアップで返してくれるハンニン。こいつは自分のわがままに付き合ってくれるらしい。お人好しな奴だ。だが、心強い。


「ありがとう。これを」

「ほう!」


 作った魔法薬を受け取り部屋を出ていく変態。恐らく、自分ができるのはここまでだろう。早いところお貴族様編を終わらせて冒険者編に入りたい。そしてお約束の奴隷の女の子を買うのだ!だから、ハンニンよもう少しだけ、力を貸してくれ。



「おはようございます、モード様。昨日は暑かったでしょうか?窓が開けっぱなしでした」


 メイドさんに起こされる朝はなかなかに悪くない。オフィーリアさんがテキパキと自分の身なりを整えていくのを見て思ってしまう。本物のメイドさんとはここまで洗練されたものだったのかと。


 例えば、刀。機能美、武器として洗練されたその姿は無骨な武器であるはずなのに、その突き詰められた機能美により、芸術品のような美しさを持っている。メイドとして洗練されたオフィーリアさんは、芸術品のように美しく、思わずおっぱいを揉みたくなる。


 モニュモニュ。


 揉んでみた。


「いきなりなんですか?」

「いたずらをしたくなってしまいました。でも、男性がこれを求めてしまう理由がわかります。これはいいものです」


 モニュモニュ。仕返しとばかりに、オフィーリアさんに揉まれた。いや揉まれてる。


「たしかに、いいものですね。ずっと揉んでいられます」


 ちょっと恥ずかしい。だが、悪くない!無言で互いの胸を揉みあう。


「なにしてるんですか?」


 冷ややかな声にビクッとするオフィーリアさんが可愛い。カララさんがジト目でこちらを見ている。


「いえ、あのこれは・・・」

「おっぱいを揉みあいっこしていました。カララさんも混ざりましょう」


 手をワキワキしながらカララさんに近づくその姿は、変態タイツにも劣らないくらい変態的だった。というかカララさんが涙目だ。可愛い。


「ふにゃああああ!」


 慌てて後ろに飛び退るカララさん。だが関係ない!高い身体能力に物を言わせて後ろに回り込む。


 モニュモニュ。

 モニュモニュ。


 後ろから羽交い絞めするように胸を揉む。オフィーリアさんもなぜか混ざる。ふむ、手に収まるくらいの丁度いいサイズ。柔らかい!柔らかいぞ!


「ぬぐぅ」

「この格好は、なんだか背徳的な気分がしますね」

「やっぱり人によって触り心地が全然違いますね」


 悔しがるカララさん。背徳感に浸る自分。冷静な分析をするオフィーリアさん。さっきあなた狼狽してましたよね?


「あ、あの朝食の準備が整っているのですが・・・」

「「「・・・」」」


 自分達を呼びに来たであろうモンタンを無言で捕獲する三人。


「ヒッ!?」


 モニュモニュ。

 モニュモニュ。

 モニュモニュ。


「物が違いますね。さすが牛獣人です」


 っとオフィーリアさん。


「なんかすごく腹が立つ・・・」


 っとカララさん。


「うぅ・・・」


 涙目モータン。自分はひたすら揉むことに集中する。結局朝の乳揉み大会は、変態が『自分たち』で朝食をとっていることに気が付くまで続いた。



 モータンがプリプリしている。可愛い。お持ち帰りしたい。

 朝食を終え、お貴族様の部屋でモータンを眺めながら時間をつぶす。


「お待たせいたしました。早速ですが報告をお願いしたいのですが」


 かなり切羽詰まっているようだ。かなり余裕がないらしい。昨日の夜に受け取った書類と、新たにハンニンが持ってきた書類を提出する。

 自分には意味のなかった情報も、お貴族様なら何か読み取れるかもしれないと期待を込めてみる。


「目ぼしい情報はありませんね・・・」


 ですよねー。だがこれで確信した。


「前提が、間違っているのかもしれませんね」

「どういうことでしょうか」

「アレック様殺害を失敗した後の準備を、彼は全くしていないのだと思います」

「ありえません!その程度のことをしていないわけがありません!」

「では、お聞きしますが、クレオ様は貴方が死に、領地が荒れ、カトレア様が泣くことをよしとするお方ですか?」

「クレオと会ったのですね」

「はい」


 許可なんてとってなかったな、あの野郎。今の反応で茶会が誰の許可もなく、独断で行われたことを理解する。


「では、なぜ私を殺そうとしたのです?」

「直接本人に聞けばいいのではないですか?」

「話すわけがないでしょう!」

「私の予想通りなら、素直に話していただけると思いますよ。今夜、晩餐会を開いていただけますか?できれば領主様も一緒に」

「何を根拠に・・・」

「貴方が目をそらしていることを根拠にしています。恐らく、領主様とクレオ様は貴方が真直ぐに向き合うことを待っているのだと思いますよ」

「私は・・・目など反らしていません!」

「それが本当なら、貴方は毒をあおって死ぬべきです。これをどうぞ。それほど苦しまずに死ぬことができますよ」


 紫色の毒々しい小瓶を取り出す。


「モード様!?」


 誰の叫び声だったかな・・・。




 

次回投稿は月曜日になりそうです。

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