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お家騒動とメイドとタイツ7

 

 私は猫獣人のカララ。普段はメイドをしている。そう、普段は、だ。今日はアレック様より命を受ける。黒ずくめの男の顔を自然に確認するように、っと。難しいようであれば無理に実行する必要はないとのこと。機嫌を損ねないことを絶対とし、任務を遂行するように。


 名前はハンニンというらしい。彼を観察する。一言で言えば、彼は変態だ。屋敷のメイド達のスカートの中を堂々と覗いたりい、控えて動かないメイド達の匂いを嗅いだり、変態的な動きでメイド達の周りをぐるぐる回っている。


 客人なので悲鳴を上げたり、叱りつけることもできない。だが観察していて分かったことだが、あれは只物ではない。動きの一つ一つが洗練されている。圧倒的な筋力量。そしてそれを感じさせない動き。


 気を引き締めるとしよう。変態にこれからの予定を聞くが意思疎通ができない。いきなり心が折れそうだ。湯浴みの提案をしてみると反応があった。背中を流すと提案してみると腰を凄い振ってくる。泣きそう。


湯場に案内し、一緒に脱衣所に入る。さてどんな顔なのか。が、突然走り出す変態。


「ほーう!」


やりやがった!?こいつ服のまま湯槽に入りやがった?!


「ほほーい!」


バシャバシャと湯槽を跳ね回る変態。


「何やってるんですか!」

「ほう?」


ほう?じゃねーよ馬鹿野郎!


「服を脱いでから入りましょう!背中流しますから!」

「うひょーーーー!」


ヒッ!?行き成りこちらに飛びかかってくる。思わず目を瞑ってしまう。こうならないよう訓練しているというのに・・・。


「ほう!」


 目を開けると背を流せと言わんばかりに座ってる。いや、だから服脱げよ・・・。諦めずに服を脱ぐよう頼んでみるが、その気がないのか変なポーズをとるだけで脱ごうとしない。不毛なやり取りを続けていると突然扉の向こうを凝視する。


「何かありましたか?」


 またもや走り出す変態。今度はいったい何なんだろう・・・。もう嫌だ、疲れた・・・。どうやら目的はもう一人の客人が入る湯場のようだ。


「ほああああああああ!」

「あなたはこっちです!」


 がっちりとホールドする。やっぱり結構がっしりしていますね・・・。そんな事を考えるていると、突然、ぬるん!と変態が私の拘束を抜け出す。何だ!?何をした!?早々外れる捕まえ方はしていない。


「誰か!そこの変態を止めて!目的は女湯よ!」


 思わず変態と叫んでしまう。そして私の叫び声に反応する警備兵。だが止められない。警備兵が次々と集まってくる。脱衣所の前に警備兵が集まり壁を作る。騒ぎを聞きつけた騎士団と魔術師が彼を拘束にかかるが捕まえることができない。


 ついに突破を許し、脱衣所に侵入される。が、突然脱衣所から暴風が吹く。変態と一緒に突入した兵が飛んできた。変態は馬鹿げたことにあの風の中を泳ぐように前に進んでいる。ありえない・・・。


 途中何かに気が付いたような仕草をし、そのまま風に流される。女魔術師の下に着地し、スカートの中を覗く。魔術師が火炎魔法を放つもすべてを拳でかき消されてしまう。もはや人間技ではない。


 ことの顛末を騎士団長に伝え、騎士団長と共にアレック様の所へ報告に向かう。騒ぎによる後始末でメイド達が涙目だった。合唱。当の変態はいつの間にか姿が見えない。もう嫌だ・・・。



 レイナードとカララの話を聞き酷く疲れる。労いの言葉をかけ二人を退出させる。今日はもう疲れた。話す事は全て父上に話した。今日はもう寝よう。明日・・・明日、彼女、モードと話をしよう。何か考えがある様子だったし、何よりゆっくり、彼女とお話がしたい。


「きっと彼女なら・・・」


情けない話だが期待してしまう。






 

進まない話。

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