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神王  作者: ミリオン
第1章 転移からの築城
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第十九話 神と馬

 フギンとムニンに指示を出した後、僕は時間を潰していた。


 アーサー達と狩りをしたり、魔術の練習をしたりしていた。


 今は、その暇つぶしの一つで、今日は何を呼ぼうか考えている。

 今回、【神々と英雄の書】と【神外の書】で喚ぶのは、ギリシャ神話のものにしようと考えている。


 それは決まっているんだが、何を喚ぶかが決まらない。

 神が多すぎるせいだろう。

 そして、個性が強い神が多い為強そうな神を喚んでも、何かしら、問題が有りそうなのだ。

 考えても決まらなかった為、僕は、【神外の書】の方から考え始める。


 こちらは、脚として使える方がいい為、早い奴などを考えれば、すぐに決まった。


 なので、問題は神の方なのだ。

 喚ぶのは英雄ではなく、神にしたいと考えた。

 何故、っと聞かれても答えられない。

 なんとなく、と答えるしか無い。


 うーむと悩み続けること、二時間。

 ようやく決まった。

 あまり強いとは言えないような気がするが、もう、これを決めるのは、何と無くでいいような気がする。



『神々と英雄の書よ。汝の力を使え』

『神外の書よ。汝の力を使え』


 それで、アカリとクロミに頼んで召喚を開始してもらう。

 聞こえる声は、前と変わらず心地いい。


『我が求めしは、冥界の神』

『我が求めしは、疾き天馬』


 綺麗な声が続いて唱える。


『喚ばれよ。ハーデース』

『喚ばれよ。ペーガソス』


 書から光が出て強く光る。

 その光が消えれば、羽の生えた天馬と黒髪の男がいる。


「ヒヒーン!!」


 天馬の方は白く綺麗な毛をしており、前足をあげて羽を羽ばたかせている。

 その動作はすぐに終わり、大人しくなっている。


 その馬はペガサス。

 神話によれば、メデューサが死んだ後、その血の中から生まれたと言われている。

 父親はポセイドンだと言われている。

 ポセイドンから、ベレロポーンと言う英雄に与えられ、キマイラ退治など、数々の武勲を立てた。

 だが、ベレロポーンが増長した為、神の国に登ろうとした。

 それを怒ったゼウスは、一匹の蛇を放った。

 その蛇に鼻を刺されたペガサスは、ベレロポーンを落としてしまう。

 ペガサスはそのまま天に昇り、星座になった。

 一方、ベレロポーンは、落ちて死んだと言われている。


 調子に乗ってはいけないということだ。


 もう一人の黒髪の美青年とでもいうべき男もいる。


「私は、主に仕える」


 そう言った男は跪く。

 その見た目は、黒い髪に白い肌をしている美青年だ。

 手には、二又の槍を持っており、兜も抱えている。


 その男は、ハデス。

 ギリシャ神話の神で、ゼウスの兄である。

 冥界を支配している神であり、あまり、他の神々と関わりを持たない。

 冥界では、ケルベロスをペットとしていたり、ゼウス、ポセイドンの次に強いなどと言われている。

 だが、戦う場面の方が少ない為、あまり、強いイメージがない。

 兜は、被ったものの姿を消す魔法のものである。

 そして、妻であるベルセポネの話では、諸説はあるが、ハデスが一目惚れしたから、ゼウスに結婚の許可をもらいに行き、ゼウスはそれに応じた。

 その時のゼウスのアドバイスにより、ハデスは、ベルセポネを水仙の花で誘い出した後、大地を引き裂くという凄いことをして、攫ったと言われている。

 ベルセポネは誘拐された為、当然、帰りたいと泣いたそうだ。それを見たハデスは、どうしてよいかわからずに、オロオロしていたそうだ。

 ベルセポネの母であるデメテルは、ベルセポネがいないことに気づき、別の神に、ゼウスとハデスのしたことを教えられる。

 デメテルは、ハデスが普通そんな強引なことはしない性格だと知っていた為、ゼウスのアドバイスによるものだと気付いた。

 そして、ゼウスに抗議した。

 その結果ゼウスは、返そうとハデスに言い、デメテルは、冥界に行った。

 だが、そこでは、ベルセポネが、ザクロを食べてしまっていた。

 その為、通常、ベルセポネは冥府を出ることが出来ない。

 だが、ゼウスは、ベルセポネを3分の2を地上で、三分の一を冥界で過ごすように言った。

 理由は、大地の神であるデメテルにこれ以上落ち込まれ、閉ざされたりすると、地上の作物などが大変なことになるからだった。

 だが、ベルセポネが冥界にいる間だけは、デメテルは悲しむ。

 その為、冬が生まれたと言われる。


 と、言うのが、ハデスの有名な神話である。











 新たに、戦力が加わった。

 恐らく、神なのだから強いのだろう。

 今の僕より強いはずだ。

 夜になればフギンとムニンが戻ってくる為、次の日には、出発をする。


 とりあえず、戦いになった時、相手の戦力にもよるが、逃げる事はしたい。

 その為にも喚んだ。

 捨て駒といえば、それまでである。


 あまり使い捨てる気にはならない。

 見た目が人だからというのもあるだろう。

 だが、今の感覚から言えば、勿体無いからという方が買ってしまう。

 僕は、そんな気持ちである。


 考えておく事は、他に幾つかある。

 まず、何に誰が乗るかである。


 現在の乗り物は、四体。

 フェンリル、スレイプニルが二体、ペガサスである。

 フェンリルは四つん這いでも僕より大きいため乗れるが、ゲリとフレキは小さい為、乗る事は出来ない。

 当然だが、フギンとムニンも乗れるような大きさではない。


 考えている事は、誰が、どれに乗るかだ。

 僕は、スレイプニルに乗る。ついさっき、どれが早いか競争させたが、勝ったのは、スレイプニルだった。

 分かりにくい為、スレイプニルは別の名前で呼んでいる。

 スレイとプニルである。全くもって安直だ。

 僕が乗るのは、クロミが喚んだスレイである。

 オーディンが乗るのは、もう一方のプニルだ。


 ここまでは、決まっている。

 次に、アーサーはフェンリル、ハデスはペガサスに乗せようと思っているが、精霊たちが決まらない。

 どうしようかは、迷っている。

 やはり、この間みたいにくじ引きでやってもらったほうがいいかな?

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