ブラコンな妹
リアルが忙しいし他の連載作品の執筆がなかなか進まなくて息抜きに書いてみた。
とある一家に二人の兄妹がいる。
兄の名前は神崎真そして、妹の名前は神崎麻由と言う。
この兄妹には両親が居ない。兄の真が6歳の時に交通事故で亡くなってしまったからだ。
この時まだ妹が3歳になったばかりだ。
その後は、親族の人が葬式をして、誰がこの兄妹を引き取るかで揉めていた。
なぜ、揉めていたのか。それは両親が大手企業の社長であったため遺産がたくさんあったからだ。
結局、この兄妹を引き取ったのは父親の弟である神崎衛が引き取る事になった。
叔父に引き取られた後は何事もなくすくすくと育ち、俺が高校に入った時に叔父にお願いをして、今は亡き両親と過ごしていた家に住むことになった。
そのため、高校もその近くのところに入った。
そして現在、今に至る。
ドドドドドドドッ
「おに~ちゃ~ん、起きろ~」
ドス
「グフ」
自分をお兄ちゃんとしたう、妹という存在にプレスをくらわされて肺にある空気を全て吐き出し、悶え苦しんでいる俺は神崎 真と言う。
そして、兄にプレスを食らわした妹は神崎 麻由と言う。
というか、麻由いつまで俺の上に乗っかって胸に頬ずりをしている。早く降りて下さい。
君のお兄ちゃんが死にそうですよ?
「頬ずりしてる場合じゃなかった。早く起きてお兄ちゃん」
「だったら早くどけろ愚妹」
「愚妹って言ったからヤ!」
「はぁ、早くどけてくれ麻由」
「お願いしますは?」
「はったおすぞ」
そう言うと、「冗談だよー」といって俺の上からどけてくれる。
俺の妹はいつからこんな兄にプレスをくらわせるように甘えてくる子に育ってしまったんだ…
ただ俺は叔父は忙しい人だったからよく俺が、家事全般とまではいかないが自分の出来そうなことはして妹の身の回りの面倒をみて、遊び相手をして、甘やかしていただけなのに。
え?それが原因だって?
いや、たった1人の家族だぜ?そりゃあ大切にするだろ?
それに今となっては逆に麻由が家事全般をこなしているんだぜ?
だから大丈夫さ。
そんな、誰かに説明するように考え事をしながらパジャマから部屋着に着替えて一階に降りる。
ちなみに家は二階建ての3LDKなのさ。無駄に広い。
俺の部屋は二階の階段の近くにある麻由の部屋はその一つ部屋を挟んだその隣にある。
どうでもいいって?まぁ、そんな事言うなよ。真君のガラスで出来たハートが砕けちゃうだろ。
一階に降りてリビングに行くと麻由がいて、朝食を並べていた。
メニューはパンに牛乳それにスクランブルエッグにベーコンと洋風だ。
ついでに言うと俺はご飯派だ。文句は言わないけどね。
「おはよ」
「あ、お兄ちゃんおはよ」
さっきは挨拶するの忘れてたんでいましました。
挨拶は大切だからちゃんとしような。
朝の挨拶を終わらせて、席について「いただきます」と言って朝食を食べ始める。
うん、美味い。
「どう?美味しい?」
「あぁ、美味いよ」
そう言うと俺の隣に座っている麻由が嬉しそうに微笑んだ。
俺はその顔を見てドキッとする。
今更だが麻由の容姿は整っていて、10人中10人が振り向くほどの美少女だ。
髪は腰まであって、黒色だ。
俺の容姿? 男の容姿を聞いて誰が得するんだ?
ただまぁ…
「本当!?お兄ちゃんって料理が上手い人が好みだったよね?だったら私が当てはまっているから私と結婚してくれるよね?それに髪が長い子も好きだったよね?それに胸も大きい子が…」
と、このように度が過ぎるブラコンなのが問題。
だが、此処まではいい。ブラコンなんて兄貴冥利に尽きるってもんだ。しかしだな…
「聞いてるお兄ちゃん?それより、この前親しくしていたあの女は誰なの?お兄ちゃんには私が居るんだから…」
この少し病んでる所をどうにかしてほしいっす。
俺に危害は加えないけど他の人を1人病院送りにしていたなぁー。
ーーーーーーーーーーー
俺が中2の時のこと、まだ俺が叔父の家で麻由と一緒に過ごして居たときのことだ。
このときからもう麻由は筋金入りのブラコンで基本的に俺にべったりだった。
それで、麻由と一緒に廊下を歩いてるとそのとき同じクラスだった女の子が階段を踏み外して倒れそうになっていて咄嗟に支えたら俺と一緒に廊下に倒れてしまった。
そのときに彼女の唇と俺の唇が重なってしまった。要するにキスをしてしまった。
これが俺のファーストキスだったが、事故ってことでなしといことになっていたがここで納得いかないのがブラコンである麻由だ。
目の前で大好きな兄が他の女の子とキス(事故)しているのを見た麻由はブチ切れあろうことか無かったことにしようとしたことのも許せなかったらしい。
ドス黒いオーラを発しながら鬼の形相で「殺す!」と言いながらその子に殴りかかった。
麻由はこんな事良いながら殴り続けた。
「おまえ、なに勝手に私のお兄ちゃんとキスしてんだよ、ふざけんなよ、私でもまだしたことないのに。え?何だって、ゴメンナサイ?謝って許されると思っているの?許す訳ないでしょう。
お前はしてはいけない事をしたんだよ。殺してバラバラにして、ドブに捨てるを1万回繰り返してもまだ許せないことをしでかしたんだよ?わかってる?あ、お兄ちゃんとキスするぐらいだもんね。やって良いことと、いけないことも区別が付かないぐらい頭が悪いもんね、わかるわけ無いか。
それに、あろうことかお兄ちゃんとのキスを無かったことにしようとしたことも許せないないよ。何、お兄ちゃんとキスできたという幸せを無かったことにしようとしてるの?私だったら舌を入れてディープキスまでするよ?そして20分位するよ。ううん、一生やっててもいいよ。
なのに何故相手があなたなの?何で私じゃないの?やっぱりふざけてるね。決まっていたことだけどやっぱり殺すしか無いよね?でもどうやって死にたい?このまま殴り殺される?それともハサミで刺し殺される?それか首を絞めて殺される?どれがいい?え?私が決めていいの?しょうがないなぁ。じゃあ全部だね。このまま顔を殴り続けて顔の形をかえて、ハサミで腕と足を刺してまともに歩けなくしてそして、絞め殺してあげる。
じゃあ、約束通りこのまま顔の形がかわるまで殴るね?その後、ハサミを取りにいく間に逃げられないように足の骨を折るね。いや、やっぱり今折っておくよ。パキッ(足の骨が折れる音)うるさいな~。耳元で大声あげないでくれる。耳障り何だけど。え?ゴメンナサイ?だから許す訳ないでしょう?何回言わせるんですか?と、もう片方の足を折らないといけない。
やめて下さい?止める訳ないでしょうっとパキッ(もう片方の足の骨が折れた音)何、泣いてるんですか。泣きたいのはこっちなんですよ?お前みたいな奴にお兄ちゃんの大切なファーストキスを奪われて、泣きたいのはこっちなんですよ?
あ、安心して下さい。約束通りちゃんとハサミで足と腕を刺しますので…」
あまりの異常な光景と恐怖で動けなくなっていたが、麻由が彼女の足を折る音で正気に戻り、慌てて麻由を止めに入った。
その後は、何としても彼女を殺そうとする麻由を宥めて彼女を急いで保健室に運んで先生に救急車を呼んでもらい病院に緊急搬送された。
彼女が病院に搬送された後に麻由が校長室に呼ばれて、事の経緯を詳しく聞いていたが、麻由は誤魔化していた。
校長が俺に「本当かね?」聞いてきて、麻由が俺を見て、微笑んだためその笑顔が何時もなら可愛く見えるのかも知れないがそのときは怖かった。
だから俺は「はい」とうなずくことしか出来なかった。
校長との話が終わって、今日は帰っていいと言われたから麻由と一緒に家に帰った。
家に帰って玄関を開けて扉を閉めた瞬間、麻由に押し倒された。
「いてて」
「お兄ちゃん」
「何だ?取り敢えずどけてくれないか?」
「いやだ。このままお兄ちゃんとキスする」
「何言ってんだ。早くどけーー」
ろと言う前に麻由にキスされた。
しかしすぐに離れた。
「ふふ。やっとお兄ちゃんとキス出来た♪でもまだだよ?これじゃあ、あの女と一緒だから。もっとキスして消毒しないと」
そう言いながらもう一回してきた。今度は舌まで入れて。
「んんんっ」
「お兄ちゃんは私とキスするのイヤなの?」
悲しい顔をして聞いてきた。
「イヤじゃないけど、こんな無理矢理なのは俺は嫌いだ」
「うう」
「わかったならどけて。な?」
「はーい」
少し悲しい顔をしながら俺の上からどけてくれた。
悲しい顔をしていたから思わず頭を撫でてしまった。
「もうこんな事するなよ?」
「じゃあ、お願いしたらキスしてくれる?」
頭を撫でていたため少し気持ち良さそうにしていたが、上目遣いで俺に聞いてきた。
「たまに…気が向いたらな」
「してくれないんだ…」
おい麻由よそんなこの世の終わりみたいな顔をするな。
「あぁもうわかったよ。してやるよ!」
「本当!?」
「でも、そんな頻繁にしないからな」
「うん!」
さっきの顔が嘘のような、とても素晴らしい笑顔で元気のいい返事をしてくれました。
この笑顔を見て、やっぱり麻由はかわいいなと思う俺もシスコンなのかも知れない。
余談だが、この事があって以来3日に一回のペースでキスをお願いされて、ほぼ毎日朝起きたら俺に密着するように麻由が寝ているということがあった。
ーーーーーーーーーー
…今思ったけど、少しじゃなくて大分病んでましたね。
少し泣けてきたよ、俺。
「ん?何で泣いてるのお兄ちゃん?あ!そうか私の料理が美味しすぎて感動しているんだね!」
何か、麻由が馬鹿なことを言っているような気がするがほおっておこう。
朝食を食べて、流しに持って行って食器を洗う。
「お兄ちゃん、今日何するの?」
「自宅を警備する」
「ゴロゴロするんだね。だったら買いm…じゃなかった、デートにいこうよ!」
何で言い直したんだ?
まぁいいか、でも買う物が無いからな…やっぱり家でゴロゴロ…じゃねぇや警備しないとな。
何かあっても困るし。
「無理だな」
「そっかぁ。無理かぁ。せっかくの日曜日だからお兄ちゃんと一緒に買い物いこうと思ってたのになぁ…」
そ、そんな悲しそうな顔で見つめられても行かないからな!?
行かないんだからね!?
「昔はあんなに優しかったのになー」
妹よ、自分で言うのもあれだけど、十分今でも甘やかしているからな?優しいからな?
「あの頃のお兄ちゃん(シスコン)はどこへ逝ったのかなぁ」
おい、人を勝手に殺すな。それと誰がシスコンだ俺は妹を可愛がっている兄に過ぎないぞ!
え?それをシスコンって言うんだって?そんなわけ無いじゃん。だったら妹を持っている兄貴全員がシスコンってことになるよ?
「…分かったよ。行けばいいんだろ。行けば」
「流石お兄ちゃん!大好き!」
いきなり抱きついてくるな!
とまぁ、こんな風に妹はブラコンで病んでいて甘えん坊で大変だが、親が居なくては少し寂しいが楽しく過ごしている。