再会
7 再会
さとしと智恵は、幻城に辿り着いた。幻城の前で門番が、城を守っていた。智恵はお城に近づき門番に、尋ねた。
智恵「あの、お尋ねしますが此処に才谷梅太郎と言うお侍は居ますか?」
門番「ん?あなた方は、あっ、サーカスのピエロの、さとし君ではないか。で、そちらの小さいお嬢ちゃんは?さとし君の良い人かい?このこの、さとし君も隅に置けないね。」
さとし「違うよ。この子は、智恵ちゃんだよ。何か梅太郎さんを探しているらしいから、此処まで、連れて来たんだよ。で、梅太郎さんは?」
門番「梅太郎さんは、今は居ないよ。お姫様達を探しているよ。本当に姫様たちは何処に居るのだろうね。」
その話を聞いた智恵は、思わず呟いていた。
智恵「お姫様達を探している!?」
あの話は、本当だったんだ。本当に才谷梅太郎と言うお侍が居て、お姫様達を探しているんだ。智恵は、呆然と立ち尽くしていた。その様子を見た門番は、
門番「お嬢ちゃん、どうかしたのかい?具合でも悪いのかい?梅太郎さん今は居ないけど、もう少しで、帰ってくるよ。」
門番の話しを聞いて、智恵は首を振った。
智恵「何でも無いです。あの、1つ聞きたい事があるの。この時代に誰かタイムスリップしたとか、してきたとか聞いた事は有りますか?」
門番「え?タイムスリップ?聞いたことないなぁ?さとし君はあるかね。」
さとし「僕もないよ。タイムスリップ何?次元の狭間に落ちる事?」
さとしの言葉に智恵は、
智恵「次元の狭間に落ちる事だよ。それがタイムスリップって言うんだよ。私タイムスリップして来たみたい。うんん、間違い無い。私タイムスリップして、この時代に来たのよそれが原因かは解らないけど、こんな姿になっちゃったのよ。」
智恵の言葉に門番は、ビックリしたのも束の間、大声で笑い出した。
門番「アハハハハハハ堪らん。お嬢ちゃんって面白いね。さとしくん強敵現るかぁ?お嬢ちゃんが次元の狭間に落ちたのが原因で、お嬢ちゃんの体も子供の姿になったって?」
さとし「おじさん、智恵ちゃんは、真剣なんだよ。真剣に悩んでいるんだよ。だから、梅太郎さんに会いたいんだ。」
門番の態度を見た智恵は、目に涙を浮かべながら、
智恵「私元の世界に戻りたいの。元の世界には、私の愛する子供達が居るの。だから、戻らないといけないの。」
門番は、涙ながらに話をする、智恵を見て、
門番「ちょっとタンマ。元の世界?子供達?訳が分らない。本当に君は、非現実的国の人じゃあ無いのかい?嫌〜信じ難いなぁ?まるで、化かされた気分だよ。」
不思議がる門番の背後から、聞き覚えのある声が聞こえて来た。三人が一斉に振り返るとそこには、頭を抱えながら喚く才谷梅太郎が、立つていた。
梅太郎「今日も、見つからなかった。本当に姫様達は何処に居るのやら。全く姫様達と来たら………。」
ボヤく梅太郎に智恵は、ようやく会えたとばかりに、突っかかろうとするのを、さとしが必死に止めた。
さとし「智恵ちゃん、駄目だよ。」
さとしは、智恵を押さえつつ、梅太郎さんに挨拶をした。
さとし「こんにちは梅太郎。今日は、聞きたい事があって来たよ。」
ん?聞きたい事?こえがする方に振り向きさとしを見ると、
梅太郎「さとし殿。どうしたで御座るか?、まだ、サーカスでピエロをしているのですか?お辞め下さい。あなた様は、ん?さとし殿隣の女の子は、誰で御座るか?小さくて可愛い女の子で御座るな。ウプッ?んんんん」さとしは、慌てて梅太郎の口をふさいだ。
智恵は、二人の行動に驚きはしたが、梅太郎の言葉に首を傾げる。ん?小さい女の子?梅太郎が、何を言っているのか訳が分からずに居たがすぐに我に返り梅太郎に飛びかかろうとしていた。
その殺気立った気にさとしと門番が気付いた時には、智恵は梅太郎に、飛び掛っていた。