懐かしい思い
5 運命の出会い
気が付くと、心配そうに除き込むピエロの姿が見えた。
ピエロ「君、大丈夫。突然倒れたりするからビックリしたよ。気分でも悪いの?」
智恵「有り難う。もう、大丈夫。」
そう言って、立ち上がろうとしたその時、
ピエロ「はい。」
ピエロは、持つていた飴を差し出した。
ピエロ「甘い物を食べると元気が出るよ。本当に無事で良かった。逢いたかった。」そう言うとピエロは持っていた飴を差し出した。
智恵「あっ!!有り難う。でも、何処かで逢った事あるの?さっきから訳が分からないよ。」智恵は思い出そうとしたが、思い出せず思い出そうとすると頭が痛くなった。
智恵「後免ね。思い出せないよ。でもその内思い出すかもね。」智恵は笑顔で答えた。
ピエロ「何か年上の人と話しているみたいだけと、僕の方が5つも年は上なんだよ。」
智恵「え?」
この子何言っているのだろう?どう見てもこの子小学5~6年にしか見えないけど、私からかわれているのかしら?智恵は、そんな事を思いながらピエロを見た。
その時智恵は、ある事を思い出した。それは、母に連れて行ってもらったサーカスの思い出だった。そこで出会ったピエロにその子は、ソックリだったのだ。
智恵は、まさかと思いピエロを見直した。
嫌そんな事ある訳が無い。ピエロの名前は確か、さとし君だった様な確かめてみるか。
智恵「名前なんて言うの?」
ピエロ「ん?僕の名前?さとしだよ。君は?智恵ちゃんだよね。」
智恵「何で?どうして私の名前知っているの?やっぱり何処かで逢った?そう言えば、私が小さい頃母にサーカスに連れて行って貰った事が有るの。その時に見たピエロと貴方ソックリ何だけどそのピエロ貴方の父親かなぁ?貴方のお父さんもピエロしてた?」さとしは、智恵の質問には答えず、尋ねた。
さとし「智恵ちゃん何時此処に来たの?どうやって来たの?」
智恵「解らないの?朝変な小人に会ってから不思議な、事が起きてるの。あの小人小さい侍みたいな姿をしていたわ。腰に刀をさしていたし、お姫様達を探しているとか言っていた。そう言えばここ何処?私がいた世界じゃ無いの。全く違う世界なの。異世界に飛ばされたみたいなの。」
ピエロ「此処?此処は、非現実国だよ。侍ならこの国にいるよ。智恵ちゃんが会った侍の名前解る?もしかしたら僕分かるかもだから教えて。」
智恵「その智恵ちゃんって言い方少し引っかかるんだよね。まっ、良いか。侍の名前は、確か才谷梅太郎って名乗っていたよ。解るの?」
ピエロ「梅太郎さん?僕知ってるよ。偉い武将の人だよ。でも凄く優しい人だよ。」
優しい?私の足に刀を差した人が優しい?智恵は、その時の事を思い出すとどうしても優しい人とは、とても思えなかった。
ピエロ「その人の所に案内してあげるよ。智恵ちゃん梅太郎さんに会いたいんでしょう。そして、何で智恵ちゃんがこんな目に遭っているのか聞いてみようよ。僕も智恵ちゃんに協力するし智恵ちゃんを守よ。僕ピエロだから、智恵ちゃんを笑顔にしてあげたいんだ。」
智恵「有り難うさとし君。」
さとし「うん。じゃぁ、早速梅太郎さんに会いに行こう。」
智恵は、立ち上がり梅太郎に会いに行く事にした。さとし君に貰った飴を頬張り、
智恵「宜しくさとし君。」そう言って笑顔で、探しに出た。