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最後の賭け

「あっ!」

トロの城の壁が無惨に破壊されている。

『遅かったか』とゼウス。

僕達は城へ駆け込んだ。


「グリー!」

『ん?』


そこには、すすり泣く舞ちゃん、龍、そしてセレーネの姿があった。

そして床には、王様とアカが・・。


『なんだこれは!』とポセイドン。

美咲お姉さんは、王様とアカに駆け寄り必死に手をかざすが・・首を横に振った。


「くそー!」僕の怒りは一気に頂点に達した。

そして雷鳴の剣を握った。

すると、セレーネが静かに言った。

『翔太、やめなさい!』

「えっ」

『今闘っても、無駄に命を落とすだけです』

「・・・」

『翔太君、セレーネの言う通りよ』と舞ちゃんも。

「舞ちゃん・・」

『もう、これ以上の悲しみはいらない!』


『よくわかってるじゃないか、力の差というやつを』

「うるさい!だまれ」駿の怒りの声だ。

「翔太君・・」桃子ちゃんが僕の手を握ってきた。

『くそー』ゼウスもポセイドンも、怒りはMaxだ。


『メガキング、行くぞ!3次元の世界に乗り込むのだ。宇宙を支配する!』

そうグリーは高々と宣言した。


僕は目を閉じていた。

アカの命、王様の命、セレーネと舞ちゃんの思い、そして闘うことの意味を考えるために。

雷鳴の剣と風雲の盾にも問い掛けていた。僕はどうするべきなのかを・・。


『自分を信じ、仲間を信じ、自分自身で答えを導け。雷鳴の剣と風雲の盾は、それを待っているのだから』

天空の神ゼウスは、僕にそう告げた。


そして僕は静かに目を開けた。

「待て!グリー」

『ん?なんだと・・』

「翔太・・」

『翔太・・』

「翔太君」

「僕はお前を・・倒す!」

『翔太、あなたは・・。わかりました。力の限り闘いなさい!』セレーネはそう僕に言った。


再び僕の怒りは頂点に達した!

そして、雷鳴の剣と風雲の盾も強く輝いた。


「翔太、ぼくも闘うよ!」

「駿、今度ばかりはダメだ!」

「僕一人でやる・・」

『何、本気か翔太』とゼウス。

『無茶だ!』とポセイドン。

「来い!グリー」僕はグリーを外に誘い出した。

そして、メガキングと1対1の勝負だ!


僕は雷鳴の剣を構え、先制攻撃をかけた。それでも逃げる素振りをみせないメガキング。そのメガキングの体を、雷鳴の剣の稲妻が切り裂いた!

「なに!」

雷鳴の剣の攻撃が、全く歯が立たない。

『雷鳴の剣が効かない!』信じられないといったアオ。


『メガキング、お返しをおみまいしてやれ』

メガキングのレーザービームだ。ぼくは、風雲の盾でしのいだ。

ぼくは、メガキングのすぐ後ろに瞬間移動をした。

「翔太が瞬間移動をした!」と駿。

「いつの間に翔太君・・」と桃子ちゃん。

そして、雷鳴の剣を力の限り振り抜いた!

「くそ」

至近距離からでもダメだ。傷ひとつつけられない。


『いくらやっても無駄だ!雷鳴の剣の能力は把握済みだ』

「何だと!」

そしてまた、レーザービームが向かってくる。

ぼくは、瞬間移動でそれをかわし、風雲の盾をメガキングに向かって投げつけた!盾はブーメランとなり、メガキングを直撃した!しかし・・。

「風雲の盾でもダメなのか」


『恐ろしい敵だ』とゼウス。

『雷鳴の剣も風雲の盾の攻撃も、軽々と跳ね返してしまう』とポセイドン。

「翔太・・」心配する駿。


『メガキングは疲れを知らないサイボーグだ!小僧、いつかはお前が力尽きて破れる運命だ!』

「くそー」


メガキングとの攻防は続いた。

グリーの言う通りだ。悔しいが、このままだといつかはやられる。

その時、駿が僕の視界に入った。メガキングを透視している。うまく弱点を見つけてくれればいいが。


一瞬の隙をつかれ、メガキングが突然僕の目の前に現れた。なんてスピードだ!

メガキングのストレートが僕の顔面をとらえ、膝蹴りがみぞおちを襲った!

「うっ・・」

「翔太!」

「翔太君!」

『このままだとまずい』

『ああ』

雷鳴の剣でも、風雲の盾でも、何もすることができない強敵だ。ゼウスの電撃波も、ポセイドンの衝撃波も通用するはずはなかった!


『行くぞポセイドン』

『行くぞゼウス』

二人は空中に飛び上がり、メガキングにダブル攻撃を掛けた!


直後、今度はメガキングが向かってくる。

・・そして姿を消したかと思った次の瞬間、二人の前に現れ、ゼウスに膝蹴りを、ポセイドンに回し蹴りをおみまいした。

『速い!!』

二人は地面に叩きつけられ、身動きがとれない。そして、メガキングの目がまた怪しく光った。

『ゼウス、ポセイドン、危ない!!』アオは叫んだ。


『よし、メガキング、二人にトドメをさせ!』

メガキングは二人に狙いを定めた。

「キャー」悲鳴をあげる美咲お姉さんと桃子ちゃん。

その時だ。

『ん?・・ギャー!!』

カメゾウだ。カメゾウがグリーの足に噛みついている!

『うわー・・メガキング、こっちだ、このカメを先にやっつけろ!!』

メガキングは二人への攻撃をあきらめ、カメゾウに向かった。

『うわ!今度はボクの番か』

「カメゾウ!」

駿は、カメゾウに瞬間移動をかけた。

メガキングのビームは、グリーの足元に炸裂した。


その隙に美咲お姉さんは、翔太とゼウスそしてポセイドンのキズを治してくれた。


「カメゾウでかしたぞ!」と駿。

『へへぇー』

しかし、まだ気は許せない状況だ!


『駿、メガキングに弱点は見つからないか?』とアオ。

「うん、ダメだった」

『弱点無しか』とゼウス。

『我々の攻撃などなんとも思ってない』とポセイドン。

「くそー」


『おっ、体力を回復ようだな。もう手加減はしないぞ。メガキングMax の状態に変身だ!』

『Max だと!これ以上のパワーを引き出すというのか?!』とポセイドン。

『そんなバカな・・』とゼウス。


『メガキング!お前の本当の強さを見せてやれ』

グリーの言葉を聞いて、メガキングの体に変化が表れた。ボディの色はゴールドに変わり、表情も荒々しい獣のそれになっていった。


「あきらめる訳にはいかない!」

「翔太君・・」

僕は瞬間移動で、メガキングの背後に回った。

後頭部を、首を、背中を・・力の限りの雷鳴の剣の攻撃も、メガキングにとっては、ハエが体にとまるようなものだ。


圧倒的強さをみせるメガキング。しかし、グリーの頭を一抹の不安がよぎっていた。それはメガキンを100パーセントの完全体にすることが出来なかったということだ。1パーセントの不完全さが、どんな意味を持つのか、グリーにもわからないのだ。


ゼウスとポセイドンの攻撃もダメ、雷鳴の剣と風雲の盾の攻撃も。駿の透視でも弱点は見つからない。僕は雷鳴の剣にゆっくり、ゆっくりパワーを蓄えていった。メガキングの攻撃をかわしながら、ゆっくり、ゆっくりと・・。

そして僕は、一か八かの賭けにでることにした。最後の賭けに・・。


僕は鮮明に覚えている。親友のアオがやられた時だ。駿のその憎しみがパワーとなり、物凄いエネルギーの魂をサターンにおみまいしたことを!そしてま僕は知っている、その場面場面で、駿の超能力は、僕をはるかに超えていたということを。


『メガキング、フルパワーだ!』

メガキングの体が光を帯び始めた。

全エネルギーを一気に放出するつもりだ。危険だ!

僕は風雲の盾を、みんなの前方に放りバリアをつくった。

『翔太、逃げろー!』叫ぶゼウスとポセイドン。

「翔太君、逃げてー!」美咲お姉さんと桃子ちゃんの叫び。

『翔太!』

「翔太!」


そして、メガキングはフルパワーのエネルギーを放出した!大気は歪み、大地は裂けた!

みんなの体は風雲の盾に守られたが、僕の身体はそこから消え、雷鳴の剣だけが地面に突き刺さっていた。


ゼウス、ポセイドン、アオ、セレーネ。

美咲お姉さん、桃子ちゃん、龍、舞ちゃん。

カメゾウ、駿。誰一人言葉はなかった。


『次はお前たちの番だ、覚悟しろ』とグリー。

しかし、メガキングの様子が変だ。動きが止まっている。

『しまった!再充電に時間がかかるのか・・。残り1パーセントの不完全さがここで出るとは。まあいい、時間の問題だ!』


「翔太・・・くそー、よくも翔太を!!」


・・「駿、駿、わかるか?僕だ」

「翔太、どこにいるの?」

「ちょっと遠いところだが、僕は死んではいない。だから泣くな!」

「うん」

「よく聞けよ駿、今メガキングを倒せるのは駿、お前だけだ!そこにいる仲間と心を一つにして、雷鳴の剣を握れ。そして、メガキングを倒すんだ」

「えっ!翔太でもダメだったんでしょ」

「駿、自分を信じるんだ!そして仲間を。そして僕を」

「けど・・」


『よし、あと少しで再充電も完了する。待ってろよ』


「駿、勇気を出せ!雷鳴の剣には僕のありったけのパワーが充填してある。それにみんなの気持ちが合わされば、必ずメガキングは倒せる!」

「・・うん、わかった」

そして駿は、雷鳴の剣を握った。翔太のパワーが剣から伝わってくる。

そして、雷鳴の剣を構えた。

「みんな、雷鳴の剣に力をください!」

『よし!』

「わかったわ!」


『よし、充電完了だ!メガキング、再びフルパワーだ!』メガキングの体が光を帯び始める。


駿は集中した。そしてその思いのすべてを雷鳴の剣に込めた!雷鳴の剣は激しく輝いた。


「翔太、行くよ!」

しかし、一瞬早く、メガキングのエネルギーが放出された。

『何!まさか、そんなことが・・』驚くグリー。


その時駿が握る雷鳴の剣は、メガキングから放出されたエネルギーをすべて吸収し、パワーにかえていた!

「たあー!・・行けー!!」

駿は空高く飛び上がり、メガキングめがけ、雷鳴の剣を力の限り振り抜いた!

そして雷鳴の剣の圧倒的な威力は、メガキングの体をこっぱみじんに吹き飛ばした!


『やったぞ!駿』

「やったわ!駿くん」



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