海底火山
「ポセイドン、天空の神ゼウスはお前の兄貴分なんだろう。雷鳴の剣のことは知ってるよな」
『存在は知っているが、既に後継者に授けたと聞いたが・・』
「うん、その後継者が駿だ!」
『なんだとー!駿が天空の神ゼウスの後継者』
Vサインの駿。
アオがこれまでの出来事をポセイドンに説明した。
『では、雷鳴の剣は、その強さと輝きを失ってしまったというのか!?』
「そうなんだ。それで、その雷鳴の剣を復活させるヒントを求めて、今こうして竜宮城に向かっているところさ」
「ポセイドンは見たことないか?このぐらいのガラス玉を。とてもキレイなガラス玉なんだけど」
『記憶にないなあ』
「セレーネは首飾りにしてたんだ。もし乙姫が持っていたら、やはり首飾りとか指輪とかにしてた可能性もあるんだけど」
『帰ったら早速聞いてみよう』
その時だ、アカからポセイドンにテレパシーが届いた。
『ポセイドン、聞こえるか』
『どうかしましたか』
『大変だ!乙姫が、乙姫がひとりでセレーネの助けに向かったらしいんだ』
『何だと、どういうことだ』
『おそらくセレーネをたてに、サターンに呼び出されたんだろう』
「どうしたポセイドン?」
『乙姫が、サターンの所へ向かった!』
「なんだって!」
『ボクのママのために乙姫が・・』
『とにかく竜宮城へ急ぐんだ。乙姫が何か手がかりを残してくれてるかもしれない』
そしてついに、僕達は竜宮城へ。
途中からは、やや強い海流が僕達を導き、竜宮城まで連れていってくれたのだ。
どこをどう抜けてきたのか、道順は全く記憶にない。これも竜宮城のセキュリティのひとつか?!
そこはまさに楽園!おとぎの国だ。
海の中のユートピア。
「ポセイドン、手分けしてあのガラス玉を探したいんだけど、いいか」
『構わんよ。ワタシは乙姫が残してくれたかもしれない手がかりを探そう』
「カメゾウ、いたずらするなよ!」駿のきついひとこと。
「もし、ガラス玉を首飾りとか指輪にしていたら、身に付けて出掛けた可能性もあるわ」と桃子ちゃん。
「うん、でも大切なものは、どこか大事にしまってあってもおかしくないよ」
「そっか」
『ん?これは・・』
「ポセイドン、何かあったのか」
『いや、なんでもない』
「あれ?」ポセイドンの様子が変だな・・。
「ないわね」
「うん、やっぱり簡単には見つからないか」
あきらめムードの美咲お姉さんと桃子ちゃん。
駿が透視をしてみても、結局ガラス玉は見つからなかった。やはり持って出たのか乙姫は。
「もうひとつ聞いていいかポセイドン、乙姫が、太郎に渡したという玉手箱なんだけど・・」
『うん、確かに乙姫は玉手箱を太郎に渡した。竜宮城からの帰りにも、確かに持っていたからな」
「中身は何か知っていたのか?」
『いや、その頃はまだ竜宮城の番人をしていただけだからな。ワタシ達が結婚したのは、それから500年も後のことだ。ただ、乙姫自信も玉手箱の中身が何かは知らなかったようなんだ。そんなものをプレゼントするのはどうかと思ったらしいが、太郎がひどくその玉手箱を気に入ったらしくてな』
「えー、そんなの初耳」と美咲お姉さん。
絵本だけでは伝えきれない事実がたくさんあるってことだね・・。
「玉手箱ってこれだよね。開けると白い煙がいっぱい出てくるんだ!」カメゾウの背中で、駿は自慢気に本を開いてみせた。
「あっ!」
その時僕は、絵本のなかにとても意外なものを目にした。
「駿、その絵本よく見せてくれるか!」
「どうかしたの、翔太君」
「この絵に描かれている玉手箱を見て!小さくてわかりづらいけど・・」
「あっ!」最初に気づいたのは美咲お姉さん。
玉手箱のうつくしい模様の真ん中に、ガラスの玉が描かれていた。
なぜかカメゾウも、首をいっぱいに伸ばし、興味津々という感じで本をのぞきこんでいる。
カメゾウのやつ、本読めるのか・・!?
『これが本物の第三のガラス玉だとしたら、あの海辺にある可能性が高いな』とアオ。
「でも、見つかる可能性はゼロに近い」
「そうね」
「何年もたってて、波に流されちゃったかもしれないし・・」
さっきからモジモジ落ち着かない様子のカメゾウ。
「カメゾウどうした?」
『・・実は・・』
その瞬間、海底を物凄いゆれが襲った。
『グラグラグラ~』 地震だ!
『ポセイドン、今のは何だ?』
「スゴい揺れだったよ。ほら、まだ揺れてる」と駿。
『もしかしたら、海底火山が噴火したのかもしれない。以前にも一度、似たような大きな揺れがあった』
続いて大きな爆発音が!
『水蒸気爆発だ。やはり海底火山の噴火だ』
「うわー」
僕はカメゾウと駿を空中に持ち上げた。
『空から確認してこよう』
ゼウスは海底火山の方向に飛んでいった。
『ワタシは海底を探ってみる』
ポセイドンも出ていった。
「駿、カメゾウ、大丈夫だったか」
「うん」
やがてゼウスとポセイドンが戻ってきた。
『翔太、ブルー、大変なことが起こっている』
『世界中の海底火山が噴火し始めてる』
「世界中の海底火山が!」
『このまま噴火が続けば、世界は全滅するぞ!』
世界中に海底火山がどのくらいあるのかは知らないけど、その全部が爆発したら大変なことになるくらいは理解できる。空は噴煙で覆われ、火口からはマグマが吹き出す。想像しただけで恐ろしい光景だ!




