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サターン再び

最近、深海魚が漁師の網にかかり捕獲されると言う話をよく聞く。大地震の前触れではないかと言う人もいる。ダイオウイカとか竜宮の使いとか。

それにサンゴの減少など、海の生態が壊れてきている。どれもサターンの仕業なのか・・。


『翔太、空は飛べるようになったか』とゼウス。

「飛べません!」

『だろうと思った。神からこれを預かってきたよ』

「それは?」

『飛行薬』

「飛行薬?」

『これを飲めば、自由自在に空が飛べる。鳥みたいにね。みんなの分もあるよ』


本当にこんなので、空が飛べるようになるのか。

半信半疑、僕は飛行薬とやらを呑み込んだ。

『よし、飛べ!』

命令するな。


僕は意識を空に向け、自由自在に空を飛ぶ光景を頭に浮かべた。すると体が急に軽くなり、ゆっくりと宙に舞い上がっていった。

「わー、翔太が空を飛んだ!!」

「よーし、ぼくも・・」

まだまだ不安定な飛行ながら、四人は空に舞い上がった。


「ねー、翔太、さっきね、あそこの大きな岩が動いたんだよ!、」

駿が指差す先には、大きな丸っこい岩が見える。

「動くわけないだろう、あんな大きな岩が。台風が来てもびくともしないさ」

「そうだよね・・?」


僕達は、ゼウスが魚の死骸を見たという場所まで急いだ。海面すれすれの、超低空飛行!気持ちいいー。


『あれだ』

「うわ、これはひどいな。アオ、どう思う?」

『とにかく潜ってみよう』

「うん」

『慎重にな!』


僕たちは桃子ちゃんの超能力のお陰で、海の中でもへっちゃらだ。

この辺はやや浅瀬になっているようで、海底まで行っても、太陽の光がまぶしいほどだ。

海に潜るのは初めてだけど、なんか様子がおかしいのはわかる。魚がほとんど泳いでいない!


「アオ、魚がほとんどいないな」僕はテレパシーで呼び掛けた。

『うん、確かに異様な世界だ』


ん?僕は何かを感じた。

『みんな後ろ!サメだ』ゼウスが叫んだ。

『空まで逃げよう』

僕達は必死で海面まで上がり、そのまま飛び上がった。


「ふう、ビックリしたなあ」

「ここまで来れば安心ね」

「そうね!」

『・・全然安心じゃない!』

「ゼウス、どうした?」

「後ろ!」

わあ、サメが空を飛んでる!

「サメって空飛べたんだ!」駿の独り言。


『翔太、吹っ飛ばすぞ!』

「おう!」

僕とゼウスはサメに神経を集中。渾身のサイコキネキスと電撃波を浴びせ、サメをこっぱみじんに粉砕した。


「何だったんだ、今のは?」

『サターンの仕業だ』

「やはり現れたか、サターンめ」

『一度浜辺に戻ろう』

僕達はもとの海岸に引き返した。


「ねー、ねー・・」

「何だよ駿?」

「あれ、おかしくない!」

「また、さっきの岩か・・」

「さっきとある場所が変わってるよ」

「そうだな、行ってみるか・・」


『コンコン、コンコン』

「やっぱりただの岩だな」

『のそのそ、のそのそ』

「わあー、翔太、岩が、岩が・・」

『のそのそ、のそのそ』

「動いたー!」


『コンニチハ』

「ギャアー、喋ったー!」


「お前は何者だ?まさかお前もサターンの仲間か」

『カメのカメゾウです。サターンなんて知らないよ』

「カメゾウ?」

『ハイ』

「カメなのに、何で人間の言葉が喋れるんだ?」

『タロウさんに、教えてもらったんです』

「太郎さんて浦島太郎?」

『ハイ、昔々、助けてもらいました』

「嘘だろう」

「ホントです!」


「翔太・・ほら、このカメだよ!」

「あっ、本当だ!絵本のカメと一緒じゃんか」

「カメゾウさん、何歳なの?」

『さあー』

「浦島太郎って相当昔の話よね」

「つるは千年、カメは万年だから、1万才かしらね!?」


『翔太、ちょうどいい!竜宮城に案内してもらおう』

「出来るか?カメゾウ」

『でも、最近悪いやつらが多いからなあ。大切な海を荒らしてばっかりなんだ。甲羅にキズがあるだろう、サメにやられたんだ』

「そいつらを退治に行くのさ!」

『そうなの・・』

しかし本当にここは地球なのか・・喋るカメがいるなんて。


「カメゾウくん。キズ治してあげるわ」

美咲お姉さんは、カメゾウのキズに、そっと手をかざした。

「はい、治ったよ!」

『わあ、アリガトウ!』

「どういたしまして、カメゾウくん」

『あの、ボク、メスです』

「えっ、そうなの」

じゃあ、カメゾウじゃなくてカメコにすればよかったのに、名前。


『よし、竜宮城へ出発だ!』アオは気合いが入っている。

カメゾウは海を泳ぎ、僕達は空を、駿はどうしてもと言って、カメゾウの背中に乗った。


しばらく行くと、海の上をはしる群れに遭遇した。トビウオだ!それにしてもスゴい数だ。

『駿、カメゾウ気を付けろ!敵だ』

アオがそう叫んだのとほぼ同時に、トビウオたちは容赦なく駿とカメゾウに襲い掛かっていった。

『駿!』ゼウスは、駿とカメゾウの前に仁王立ちになり、トビウオの群れをにらみつけた。

するとトビウオたちは、あっという間に、四方八方に飛び散っていった。

『ケガはないか?』

「うん、大丈夫」

「アオ、このぶんだとまた襲ってくるな」

『うん、ゼウス、今のトビウオは本物か?』

『本物だ!何者かに操られているようだな』

『魚を操る・・音波か』

『おそらくそうだろう』

「音波で?」

『大抵の魚は音を感じ取る事が出来る。それを利用して、特殊な音波で操ってるんだろう』


「ゼウス、また何か来たわよ。黒い影のかたまりがどんどん近づいてくるわ!」

「これじゃきりがないな。それに魚達が可愛そうだ」

『ゼウス、お前の超音波で、相手の音波を妨害することは出来るか?』

『やってみよう』


ゼウスは集中した。そして近づく群れに向かい、超音波を放射した。

『どうだ・・』

「正気に戻ってくれ!」

しばらくすると、黒いかたまりは細長に形を変え、Uターンするように冲の方へ向きを変えた。

「成功ね!」


「カメゾウ、竜宮城まではあとどのくらいだ?」

『あと3日かな』

「そんなに遠いのかあー・・」


「駿、カメゾウの背中は気持ちいいか!?」

「うん、最高!!」

ならいいか。


「カメゾウ、竜宮城って海の中なんだろう。浦島太郎って海の中でも呼吸できたのか」

『さあー・・息止めてたとか』

「ずーと?」

『ずーと!』

お前に聞いた僕がバカだった。


「あれ、何か急に暗くなっちゃったね」

駿の言う通り、辺りが急に暗くなった。


『みんな危ない、頭上だ!』

「痛いっ!」

『今度は鳥だ。カメゾウ、駿を連れて海へ潜れ』

『了解』

『翔太、サイコキネキスで、鳥たちの動きを止めるんだ』

「わかった!」


『やれやれ、今度は空からか・・』

「美咲お姉さん、桃子ちゃん、ケガは?」

「平気よ」


駿とカメゾウが海面に現れた。

「駿、大丈夫か」

V サインで答えてる。


「あっ、翔太君、おでこケガしてる」と美咲お姉さん。

「鳥に突っつかれた」

「見せて・・はいOK よ」

「ありがとう!美咲お姉さん」


『ブルー・今どこだ?』

『翔太達と竜宮城に向かってるんだけど、敵が次から次と現れるんだ』

『ワタシの方もママにずーとテレパシーを送ってるんだが、返事がない。心配だ!すまんが急いでくれ』

『わかったよ』


「アカからか?」

『うん、ママとまだ連絡が取れないらしい』

「急ごう。カメゾウ、スピードアップだ!!」


その時だ。

『地球人よ、ワタシの声がわかるか?!』

「・・サターンだ!」

『サターン、ついに現れたか』

『お前たち、そこで何をしているんだ。また、ワタシの邪魔をしに来たのか』


『駿、サターンが現れたみたいだぞ!また海に潜るか?』

「何言ってるんだ。カメゾウ、サターンをやっつけるよ」

『サターンを・・』


「サターン、久しぶりだな。この間のはコピーだったそうじゃないか。今度もまたコピーか・・」

『そんなことはどうでもいいことだ』

「声だけじゃなく、姿を現せ!」

『相変わらず、威勢だけはいいな。ところで、これはわかるかな・・』


空の一角にスクリーンが現れた。そしてそこには・・女神セレーネが・・。


『あっ、ママー』

「ブルーのママに何をしたんだ」

『おーお、坊やか。また会えたね』

「うるさい!ブルーのママを返せ」


『ゼウス、ママが捕らわれている場所はわかるか。竜宮城ではないようだけど』

『先程から女神のオーラを捉えようとしてるんだがダメだ。何かに妨害されてる』

『くそー』


「サターン、どうしたら女神を返してくれる?」

『交換だ!雷鳴の剣と』

「なんだと・・どうせお前が雷鳴の剣を手にいれても、使いこなせはしないぞ!」

『構わんさ!お前たちのところになければそれでいいんだ』


くそー!サターンめ・・。







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