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稲妻

それは暑い暑い夏のある日のこと、翔太すなわち僕、駿、桃子ちゃんの三人は、九十九里の海岸で遊んでいた。

三人の家は、ここから車で15分ほどのところ。

入道雲の空は青く、ギラギラの太陽がそこにはあった。

年上の美咲お姉さんも一緒に来ている。

運転手兼三人のボディーガードだ。

しかし海には入らず、日傘の下でウーロン茶を飲んでいる。肌を焼きたくない!年頃なのだ。


「ラッキー おいでー!」

駿の大きな呼び声に、全速力でかけてくる大きないきもの。

「いくぞー、それー!」

今度は、駿の投げたボールを追って猛ダッシュ・・。

ラッキーとは桃子ちゃんの家のゴールデンレトリバー。

僕も駿もラッキーが大好きだ!


海岸に来て1時間が過ぎた頃、上空の雲行きがあやしくなってきた。

先ほどの真っ白の雲とはまるで別物のグレーの雲が、空をどんどん覆っていく。

「翔太くーん、夕立が来そうだから早めに引き上げようかあ」

「はーい!わかった」

美咲お姉さんの呼び掛けに、僕も空を見上げてみる。本当だ!激しい雨が降りそうだ・・。

遠くの空では、雲の中で稲妻が光っている。

「桃子ちゃん、駿、そろそろ帰るよ。ほら見て!どしゃ降りになりそうだ」

「ラッキー、行くぞー」

最近の突然の豪雨は、昔の夕立などという言葉とは似合わず、ゲリラ豪雨だ!その事は僕もよく知っていた・・。


四人と一匹は、ホースの水で砂を落とし、美咲お姉さんの車へと急いだ。

そして美咲お姉さんが、車のドアを開けようとしたその瞬間、轟音とともに、縦の稲妻が今まで遊んでいた海岸を貫いた!

『ドーン、バリバリバリー!!』

まさにに間一髪という感じ。

他の人たちは大丈夫だったろうか・・。

あまりの衝撃に、駿の口は開いたままだ。

「駿、大丈夫かあ?!駿」

僕の問いかけにも返事はなく、ただ固まってる。

「海岸に雷が落ちるなんて驚きだね。普通は鉄塔とか木とか、高いところに落ちるはずなんだけど」

なるほど、美咲お姉さんの言う通り、何か変だな・・。

僕はなぜか胸に引っ掛かるものを感じていた。それが何なのかは、今はさっぱりわからないが・・。


橘 翔太・・市立中学2年 平成12年8月8生まれ

橘 駿 ・・翔太の弟 平成21年5月13日生まれ

桜井 桃子・・翔太のクラスメート

吉岡 美咲・・国立大学3年 21才

ラッキー ・・名犬 3才






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