ep.07 ツワブキの花(後編)
当作品は、当然ながら今を時めくVtuberミライアカリさんとは何の関係もありませんが、せっかくなので勝手ながらミライアカリさんを応援しています。
子供の頃から、いちばんの遊び場は広大な量子ネットの海だった。
生体量子回路を持つジュピター・チルドレンであればそれは珍しいことでもないが、ミライの場合は特にその傾向が強かった。
アドヴァンスド・ミライ・ネットワークの中には、無数の仮想空間が広がっている。それは木星圏ではまったく見ることのできない、緑豊かな大地であったり、あるいは広大な大海原であったりした。通常、生体量子回路を持つ子供たちは、そうした仮想空間の中でパラメータをいじったりしてゲームに興じたり、あるいはワープ通信を用いての会話を楽しんだり、調べものをしたりする。
多感な時期の少年少女に必要なものは、おおよそ用意されている場所だった。ショッピングだって楽しめる。購入したものが現実世界で届くには、場合によっては数か月を待たねばならないが、仮想空間内であればいつでも触れることができたし、使うこともできた。与えられた仮想空間に不満を持つ子供たちなどいなかったはずだ。
それでも、ミライはそこに満足をしなかった。
彼のやや自閉的な性格もあっただろう。周囲に溶け込むことができず、どうにも嘘っぱちの世界になじめなかった彼は、もっと深い領域へのダイブを試みた。
量子ネットは例えるならば、何層も縦に積み重ねられた構造をしている。
誰にでもアクセスできる表層部は、きちんと整備された仮想空間が構築されており、ネットワーク内で迷子になった際のナビゲーターもしっかりと機能するようになっているが、そこから少し潜ると、ダイバーを取り巻く環境は著しく変化する。
意識を量子波動と反響させ、量子情報と同調させるのがフルドライブ型のアクセス方式だ。要するに意識をまるごと情報の海に放り込むわけで、人間が通常見ている世界とは、まるで異なるものがそこには広がっている。そもそも人間の脳というのは物理世界に適応しているものだから、数値化された情報世界に適応して行動するのは、極めて難しい。
そうした人間の脳構造でも、きちんと情報世界を行き来するために、本来は仮想空間が整備されているべきなのだ。その整備が不十分なアンダーグラウンドは、つまるところ、そうしたセービングがまったく必要ない者たちが訪れる場所である。
深層部へのアクセスを試みたミライは、当初、自分を取り巻く情報の濁流に呑まれそうになったが、やがて順応することができた。素養はあったのだろう。仮想空間による最低限のセービングを必要とせず、自身でナビゲーターを用意して、量子ネットの深層部へと潜り続けることができた。
そこにあった様々な知識や真実は、ミライを強く魅了したものだ。
当然、アンダーグラウンドな世界ともなれば、多少の危険も付きまとう。量子ネットの深層部は犯罪に利用する者も多いし、そうした者は、ただ存在を知られるだけでも牙を剝いてくることがある。幸いにしてミライは立ち回りがうまく、余計な蜂の巣を突っつくことはほとんどなかったが、それでも冷や汗をかくことは何度かあった。そのスリルが楽しくなかったかと言えば、それは嘘になるかもしれない。
やっていくうちにいろいろなことを覚えた。厳重なセキュリティの突破の仕方であるとか、システムの誤魔化し方であるとか。広大な量子ネットの海は、まるでもうひとつの世界のようであり、その世界の中でできることが増えるたび、ミライはまるで、自分が魔法使いか何かになったかのような快感を覚えた。
深層部の魅力に取りつかれたミライは、なおさら同年代の子供たちとつるむことが少なくなり、なおさら、通常の仮想空間への興味を持てなくなって行った。
そんなミライはある日、学校で自分と同じように、周囲のクラスメイトの話題に溶け込めない少女と出会う。
その少女というのが、アカリだった。
アカリはちょうど同じ居住区画で暮らしている少女で、どうやら祖父母との三人暮らしであるらしい。もしかして、彼女もまた深層部にアクセスし、表層部への興味を失ったタイプなのか、と思い、ミライはわくわくしながら話しかけてみたが、そんなことはなく。
むしろその正反対。アカリは生体量子回路を持ちながら、それを十分に活かすことができず、表層部への長時間のアクセスもままならないほど、アドヴァンスド・ミライ・ネットワークとの相性が悪かったのである。
なんだ、つまらない。と、ミライは思ったが、話を打ち切ろうとしたミライの服の裾を、アカリは掴み、おずおずとした様子で、彼にこう尋ねてきた。
「ねぇ、量子ネットってどんなところなの?」
みんなに聞いても、あまり詳しく教えてくれなくて。と、アカリは言ったのである。
ミライはそのとき、学校の教室内を見回した。まぁ、彼らはあまり教えるのはうまくないだろうからね、と、みんなに聞こえないのを確認してから、小声でアカリにそう言った。
彼らはそんなに知識を蓄えているようには見えないし。僕ならもっと上手に説明ができる。そういうと、アカリが目を輝かせたので、ミライは彼女の対面の椅子に腰かけると、ホログラフ式のタブレットを起動してから、量子ネットの起こりについてから、まず長々と説明を開始した。
溜め込んだ知識を吐き出すという快感。ミライはその時、初めてそれを覚えたのである。
アカリは最初はなんだか退屈そうにしていたが、ミライが根気よく説明を続けると、だんだんニコニコして話を聞いてくれるようになった。きっと自分の説明が上手だったのだろうと、その時は思っていたが、だいぶ経ってから彼女に話を聞くと、アカリはミライの話の半分も理解してはいなかった。
じゃあ、なんであんなに楽しそうだったのかと聞けば、
「あたし、バカだから」
と、アカリは口を開いた。
「みんな、説明しようとしてもすぐに諦めちゃうんだ。あんなに長くお話してくれたの、ミライが初めてだったから」
なんだよ、それ。と、ミライは思った。
結局、それは自分でなくても良かったということではないか、と唇を尖らせたが、アカリはすぐに次の話を催促してきて、結局ミライはそれにノセられてしまった。
まぁなんだかんだ言って、それがミライにとっては初めての、ちゃんとした友達といえる存在であり、それはどうやらアカリにとっても同じことらしかった。アカリはやがて、ミライと触れ合ううちに、その名前通りの明るさを身につけて、他にもたくさんの友人を作るようになった。
一方、ミライの友人は一向に増えなかったが、アカリがミライとの付き合い方を変えることも、なかった。
「ああくそっ……! アカリどこに行ったんだよ……!」
通路を走りながら、ミライは頭を掻きむしる。こんなことなら、きちんと連絡手段を用意しておけばよかった。普段は生体量子回路を使ったワープ通信を使うし、アカリだってそれくらいはできたから、キョウスケやマジマの連絡端末の番号を控えておくことをすっかり忘れてしまったのだ。
そして今は、アカリの方にも連絡が取れない。
あのマグナムとかいうアフターマンのことも気がかりだ。
いっそのこと、この施設のシステムにアクセスして、監視カメラの映像をもう一度確認してみようか。
技術的に、できないということはない。
今まで、ローズマリーに連れられて入ったオペレーションルームや、その他もろもろを見てみても、自分が積んできた知識や経験を活かせばセキュリティの突破はそう難しくはなさそうだと、ずっと思ってはいた。小さな頃から深層ネットに親しんできた身としては、人並み以上に積んだ経験というとこれくらいしかない、というのもあるが。
今までしてこなかったのは、お行儀よくしていなければと思ったからだ。
木星ではミライのやっていることに気づくものも、とがめる大人もいなかった。あそこは狭い世界で、それから深層ネットを使う多くのユーザーの生活圏からは、遥かにかけ離れた場所。多少のリスクは無視できる環境だったのだ。
船に乗ってからはそうではない。地球圏には厳しいルールがあるし、きっとミライが迂闊なことをすれば気づく大人はたくさんいる。そこで無駄なリスクを踏むような真似はしたくはなかった。
が、もう状況が状況だ。このあたりで一番の責任者はどうやらローズマリーのようだし、あとで彼女に頭を下げればなんとかなる。と、思う。
ミライは小さく呼吸を整え、目を閉じて手のひらをカメラの方へと掲げた。意識の半分を量子ネットに潜り込ませ、周囲を行きかう情報の波を掴む。子供の頃から何度もやってきたことの繰り返しだ。
しかし、映像情報をつかみ取るより早く、ミライの立っていた通路の壁が、轟音と共に吹き飛んだ。
「うわあっ!?」
思わず意識を量子ネットから切断してしまう。結果的にその判断は正しく、ミライはかろうじて、弾けた瓦礫の下敷きにならずに済む。
もうもうと撒き上がる土煙の中、ボロ雑巾のように転がされてきた影に、ミライは見覚えがあった。
「うわぁ! ま、マジマさん!?」
「くそ……。毎回こんな役回りだ……!」
マジマは、ボロ布に包まれた上体をゆっくり起こしながら、片手でミライを庇うように制する。砕け散った壁の向こう側から、ぬうっと大きな影が姿を見せ、こちらにゆっくりと歩み寄ってくる。
マグナムだった。
そして、そのマグナムの前に立ちはだかり、こちらへ背中を向けているのが、
「ノノ総裁……!」
彼女は、初めて自分とアカリを助けてくれたときのような、情報武装を身に纏っている。不安定なフラクタライズ・システムの強引な起動により、身に纏った外套も一本の剣も、おぼろげに揺らいでいた。
ローズマリーは、マグナムをはじめとするアフターマンが情報体であると言っていた。情報体に干渉できるのは情報武装か、あるいはアカリやキョウスケのようなサイキック能力であれば希望があるかも、というところだが、現状、ローズマリーのそれは戦力というにはあまりにも頼りない。
キョウスケとアカリはどこだ、と考えていると、マジマが小声で言った。
「まだ無事だ。でもあいつらは酷い頭痛だか耳鳴りだかで今は動けていない。向こう側にいる。頼むぞ」
「た、頼むって……」
「俺と総裁はあいつを相手にしなきゃならん」
言うなり、マジマはミライの背中を叩いて、ゆっくりと立ち上がる。そしてそのままマグナムに向けて突進をして行った。ミライはマジマの名を呼ぼうとしたが、すぐに思いとどまり、アカリ達の姿を探す。
破壊された壁を隔てた隣の通路を見ると、ぐったりとしたアカリを連れ、壁沿いによろよろと移動するキョウスケの姿があった。ミライはすぐさまとなりの通路へと移り、二人のもとへと駆け寄る。
「アカリ! キョウスケ!」
「お、よう……」
キョウスケが力なく笑みを浮かべ、片手をあげてくる。
「どうしたの? 大丈夫!?」
「知らねーよ。頭の中に急に何かが干渉してきて……。っつ、あ……!」
キョウスケは、そのままずるずると床に座り込み、苦悶の声を漏らした。
「ともあれまぁ、大丈夫じゃねーな……」
「アカリは……?」
「意識はあるはずだが、喋らせねー方が良いぜ」
アカリは、青い顔をしたまま荒い呼吸を繰り返している。
この二人に共通した頭痛ということは、間違いなくサイキック能力に関係したナニカだ。マグナムが出てきているということは、情報体であるアフターマンの存在自体が、二人の持つ領域になんらかの干渉をしているのかもしれない。
しかし、だとして、だとしたら、ここでミライにできることなど何もない。
「で、おっさん達は大丈夫そう?」
キョウスケは軽い口調で尋ねてくるが、状況がわかっていないはずはないだろう。
大丈夫そうかどうかで言えば、否だ。マジマの持つ戦闘能力は高いが、情報体であるアフターマンに決定打を与えられるかどうかは定かではなく、ローズマリーの持つ情報武装は平行世界干渉による“ゆらぎ”の影響を受けて、まともに機能する状態ではなくなっている。
あのマグナムの実力がどれほどのものかは知らないが、今まで遭遇してきたアフターマンより弱いということはないだろう。
つまるところ、状況は総合的に見て最悪なのだ。
「ノノ総裁は、アカリを連れて逃げろって……」
「そうか、ならそうした方が良い」
ミライの言葉を、キョウスケはあっさり肯定する。
ぐったりとしたままのアカリの姿を、もう一度見た。彼女を抱えて、とにかく逃げる。職員に話せば脱出艇の手配はしてくれるはずだ。それを行動に移そうと思えば、すぐにできたはずなのに、ミライの手足は、動こうとしなかった。
どうせ逃げきれないからなのか。
逃げたところで、あの怪物に追いつかれて終わりという諦念があるからなのか。
きっとそうではない。
この状況でなお、何もできることがないという不甲斐なさが、自分の両手両足を縛りつけている。それは遠巻きな自殺衝動と変わらないというのに。ミライはこの後に及んで、自身の無力さが情けなかった。
「何もできることがねぇって思ってるのは、」
すると、目の前でキョウスケが口を開く。
「何かしたいって思ってるってことだな」
ミライはハッとして顔をあげる。そして、それから少し、ばつが悪そうに顔を逸らした。
「……人の心を読まないでよ」
「いやー、わりーわりー。テレパスは苦手なんだけど、状況が状況だからなぁ」
そう、その通り。ミライは何かをしたいのだ。それは、自分の今まで積み重ねてきた知識が、こんな状況で何の役にも立たないことを認めたくないというだけの、独りよがりな感情の迸りであったかもしれないし、もっと別の原因があるのかもしれない。
しかし結局のところこの状況で、アカリが何者かに狙われているという明確な事実がある中で、自分にしかできないことを探している。アカリの直接の助けになりたかったのだ。
「ミラ……イ……」
アカリが、小さく言葉を紡ぐ。そうだった。ずっと意識はあると言っていた。
「アカリ、辛いならしゃべっちゃダメだ」
「あたし、バカだけど……わかるよ」
弱弱しく伸ばしてきたその手を、ミライは掴み返す。一語一句しぼり出すように、しかしはっきりと、アカリは次の言葉を告げる。
「ミライは頭がよくて、なんでも知ってるから……。きっと、できることはあるよ」
「………」
アカリの言葉はそれ以上は続かない。ただ苦しそうに呼吸を繰り返し、苦悶の呻きを漏らしながら、それでも視線だけはずっとミライの方を見つめていた。
「……で、どーなんだよ大将」
キョウスケは、額を押さえたまま軽口を漏らす。
「ほんとーにできることが何もねぇなら、頭の良いお前ならとっくにわかってるはずだ。動かねえっつーのはなんかあるからなんだろ。希望っていうか勝算っていうか、そういうのがさ」
「あるけど、」
ミライはそう言って、キョウスケの方へと視線を戻した。
「一人じゃ無理だ。キョウスケの力が要る」
「いーぜ、言ってみ」
キョウスケは心底楽しそうに笑い、ミライにその拳を軽く打ち付けてきた。
「オラァッ!!」
「………!!」
マグナムの拳がローズマリーの身体を捕らえ、衝撃が機械の身体をやすやすと弾き飛ばす。存在しない痛覚の代わりに、各動力部の伝達異常を伝えるエマージェンシーが、ひっきりなしにローズマリーの電子頭脳に鳴り響き続けていた。
おぼろげに揺らぐ情報武装は、そろそろ限界が近い。
もともと、ほころびの大きかったセラ・キリュウのアカウント情報を使い続けるのには無理があったのだ。かといって、アフターマンのオリジナルにぶつける戦力を出し惜しみする余裕もない。戦ってみた感覚として、他のアカウントで戦力になり得るかどうかは、はなはだ疑問と言えた。
「ハッハッハァ! ずいぶんと情けねぇなぁ!」
獅子頭の怪物が大声で笑い、吼える。ローズマリーは剣を杖代わりに立ち上がろうとし、直後、その剣が酷使に耐えきれずに消滅した。再び床にくずおれるローズマリーを睥睨し、マグナムは心底楽しそうに笑った。
「ツワブキのアカウントを出せよ、ロボメイド」
「………!!」
わかりやすい挑発を前に、しかしローズマリーは言葉を失ってしまう。
「あるんだろう? どうして使わねぇんだ」
「そ、れは……!」
このアフターマンが言っているのは、キリュウのアカウントに次いで、強力な戦闘能力を有するアカウント情報のことだ。それはローズマリーにとって特別な意味を持つものであり、そして、マグナムの持つ『アメリカの御曹司ジョン・マグナム』の記憶と人格においても、やはり特別な意味を持つ。
ローズマリーがそのアカウントを持ちださなかったのは、単なる感傷からではない。以前からアカウント情報の欠損が酷く、既に実用に耐えうるものではなくなっていたからだ。ローズマリーの知る限り、このアカウントの持ち主は極めて強い自我を持ち、それはいくつかの平行世界をくぐったところで容易に変貌する類のものではない。だから、平行世界の干渉によるほころびが生じるというのは、にわかには信じがたかった。
だが欠損は起きていたのだ。ローズマリーの知る彼とはまた違った彼の存在する世界が、どこかで確認されてしまったがゆえに。それは、サーバーに保管されていたアカウント情報に致命的な揺らぎをもたらした。
だから、あのアカウントは使えない。欠損状態はキリュウのものよりも酷い。すなわち、キリュウのものよりも強烈な変化が、確認されているということだ。
「まぁ、わかるぜ。あのアカウントを持ちだして、俺様に無様に負けたとあっちゃあ、大事にしているツワブキの名前にも傷がつくからなぁ……!」
マグナムが拳を振りかざし、身動きの取れないローズマリーに向けて、大きく振り下ろす。だがそれは、間に割って入ってきたマジマによって阻まれた。
「ずいぶんと人間らしいことに固執するじゃないか……。てっきり人類を滅ぼすという目的で動いてると思ったが!」
「もちろんだ! 俺様たちは人類滅亡後の覇権を争うために生まれたんだからな!」
マジマの腕は細いわけではないが、それでもマグナムの剛腕を受け止めるにはあまりにも力不足だ。叩き伏せられそうになるところをギリギリで踏みとどまりながら、しかしマジマももはや限界である。その視線はずっと正面からマグナムを睨みつけてはいたが、不意に、ふと、その背後へと向けられた。
「―――、」
一瞬、マジマは言葉を失い、それから口元をふっと緩める。力の均衡が崩れ、その身体がたやすく弾き飛ばされたのは、その直後だった。
「しゃらくせぇ、邪魔をするんじゃ……ん?」
マグナムは、そこで、目の前に座り込むローズマリーの様子もまた、妙であるということに気づいた。
呆けている、とでも、言えばいいのだろうか。精密機械の塊である彼女が、まるでフリーズしたかのように動かない。そしてその口が紡ぐ言葉を、マグナムは確かに聞いた。
「そんな、あれは……イチローの……」
「……あん?」
ローズマリーの視線の先を追い、振り返ろうとしたマグナムの横っ面を、すさまじい衝撃が叩きつけた。
次回更新予定日は2019年4月1日です。