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ドラゴンバスターズ01


 ある日の朝。


「ご主人様……お起きください……」


「お兄ちゃん……起きて!」


「旦那様、起きてよ」


 姫々、音々、花々のかしまし娘が一義を揺り起こすのだった。


「ううん……まだ寝る……」


 眠たげに毛布にくるまる一義。


「しょうがありませんね……ご主人様……」


「しょうがないね! お兄ちゃん!」


「しょうがないな。旦那様」


「うん……。しょうがない……」


 そうして夢にまどろむ一義の感覚が……急激に痛みの信号を発した。


「くぁwせdrftgyふじこlp!」


 花々が一義に四の字固めを敢行していた。


「せいせいせい」


「ギブ! ギブアップ! 起きるから!」


 そんなこんなで無理矢理覚醒を促される一義だった。


 ダイニングにて。


「まーったくもぅ。いいじゃん。多少遅く起きても」


「今日は朝から講義があります故……」


 澄ました顔でダシ巻き卵を口にする姫々。


「ていうか思うんですけど……」


 とこれはアイリーン。


「なぁに!? アイリーン!」


 はつらつに問う音々に、


「なんで姫々と音々と花々だけが一義とベッドを共にする権利を有しているんですか? 私とビアンカとシャルロットとジンジャーはその権利がありませんのに……」


 ムスッとして疑問を呈するアイリーンだった。


「だって西方ハーレムは旦那様の過去を知らないだろう?」


 さも当然とばかりに花々。


「一義の過去が関係しているんですの?」


 味噌汁を飲みながらビアンカ。


「ま~ね~」


 トーストを食べながら一義。


「ですから真にご主人様を慰められるのはわたくしたちだけなんです……」


 と誇りを胸に姫々。


「じゃあわたくしたちにも話してくださいな。一義の過去とやらを」


 不公平だとビアンカが言う。


「今はまだ無理だよ。僕も心の整理がついていない……」


 けれどやっぱり月子のことを言いふらす気になれない一義だった。


「まぁいいじゃん。人には話したくないことだってあるさ。全てを明かさなければ信頼されていないと言うのは傲慢だよ」


 そうシャルロットが調停する。


「それは……そうですけど……」


 不満げにジンジャー。


「ところでこのダシ巻き卵だっけ? 美味しいね」


 シャルロットが話題を転換する。


「ありがとうございます」


「僕にも作れるかな?」


「シャルロット様なら簡単に作れるかと」


「でも卵を巻くっていうのは斬新だね。スクランブルエッグやオムレツみたいな卵を焼く料理は西方にもあるけどダシ巻き卵は和の国の粋だね」


「恐縮です」


 ダイニングの席に座ったままペコリと一礼する姫々だった。


 そうこうして朝食を終えた一同はそれぞれの準備に取り掛かる。


 姫々は全員分の食器を片づけ始めて、音々は一義と一緒に洗面所へと向かい一義の髪を整え、花々は一義と自身の王立魔法学院の制服を用意し、アイリーンとシャルロットはスーツに着替え、ビアンカとジンジャーは王立魔法学院の制服に着替える。


 最終的に全員が準備を終えると一義たちは王立魔法学院に登校するのだった。


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