□第二話□
目がまた赤くなってないかを気にしながらトイレを出ると
━━━━ドンっ
「・・うぉっ!?」
黒色のパーカーを着て、フードを深く被った子供?とぶつかった。
「あ、すいません」
俺は結構適当にあやまった。
「ごめんね、お兄さん」
そうあやまってきた子の声は高く、あぁ、女の子なんだなぁとか思っていたが、その少女の口はニタァっと笑っており、
彼女の目はさっきの俺の両目よりも真紅の赤で光っていた。
「ごめんねぇ、お兄さん。・・・死んでもらっていいかな?」
「・・・ひっ!?」
俺に死ねと言った少女の両手には鋭く光ったナイフが握られていた。
「ぶ、ぶつかって悪かったって!ごめん!ごめんなさい!殺さないで!」
懸命に謝る俺。
「別にぶつかった事で起こっているんじゃないんだよ?」
じゃぁ何なんだよ!?とは言えず、少女の、俺に向けられている鋭利な物体に恐れおののいて、声が出なかった。
「ひ・・・ぁ・・・」
なんて俺は弱いんだろう・・。
「お兄さんを殺す理由?」
んーと、と少し考えながら少女はつぶやいた。
「それは」
「お兄さんが」
「「バケモノだからだよ」」
ふと、上の方から別の少女の声がした。
・・・え?
上?
周りをキョロキョロと見ていると
黒光りした大きな鎌を背負った、これまた小さな少女が上から降りてきた。
そして、華麗に着地し、赤い目で俺を見ながら
「死んだほうが、いいよ。そのほうがきっと、幸せだから」
といい、ニヤッとして俺に鎌をふり下ろそうとする。
「・・・ごめんね」
生まれてきたから悪いんだよ、と聞こえないような声でつぶやき、
本格的に俺に鎌を振り上げた。
い、嫌だ!まだ・・・まだ死にたくないんだっ!
━━━━カキンッ
「人殺しは、よくないよ♪」
「・・・チッ」
どこからか、トンファー少女が乱入してきてくれたおかげで
俺の命は一時、助かったのだ。
「う・・・ぁ・・」
振り下ろされた鎌は当たらなかったが次、いつ俺に刃を向けられるかわからない。
とりあえず俺はダッシュで逃げることにした。
くそう・・・。ビビっているのか俺の体は素直に動いてはくれなかった。
よろよろと立ち、フラフラとその場を離れようとした。
「に が す か っ!」
「ひっ!?」
最初にぶつかった少女が俺に向ってナイフを投げてきた。
そのナイフは俺の頬をかすり地面に刺さった。
「絶対、逃がさない」