■第一話■
俺はヤマト。県立の高校にかよう、ごく普通の、どこにでもいる一般的な高校生だった。
「うぇぇ・・目になんか入った!?」
目が痒い、そんな誰にでもあるごく普通の現象で、目をこすりながら
近くの公園のトイレに入り洗面台で目を洗い流して
ふぅー。と一息吐きながら鏡を見て、ヤマトは驚愕した。
「なんだ、これ!?」
目が、真っ赤だったのだ。
これだけ聞くと、ただのこすりすぎに過ぎないのだが、
白目部分は正常に白く、赤いのは黒目の部分だ。
これ、どうしようか。
両目赤って・・・厨二じゃねぇ!?
恥ずかしくてトイレから出られねぇよ・・・。
「・・・・病気かな?」
いや、まさか。こんな病気聞いたことがない。
つか病院に行くのが嫌だ。
なんか精神科とか勧められそうで。
「はぁ・・・・お?」
時間が経つにつれ、真っ赤だった俺の瞳部分は徐々にもともとの黒さにもどり始めていた。
これで、帰れる・・・・。
少し安心してトイレを出た。
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その光景の一部始終を2人の少女は木の上から見下ろしていた。
「・・・アイツ、能力持ちじゃん」
「壊しちゃおうよ、クロトちゃんっ♡」
ひとりの少女は、自分の背丈よりもはるかに大きい鎌を持ち
ひとりの少女は、研ぎ澄まされたナイフを数十本持っていた。
「トイレを出たところ、ザクっと行く?」
「よし、いいねそれ」
「どっちが接触しようか?」
「んー、私が接触する」
クロトちゃんに上からザクっといってほしいなぁ、とケタケタ笑いながらソラは続けた。
「了解」
クロトは、うさみみの黒いフード付パーカのフードを深く被り、
少しニヤッして返事をした。
さて、行きましょうかとでも言わんばかりにソラもフードをかぶる。
「「━━━━・・・・さぁ、楽しい遊びの始まりだ」」