□第十話□
お前トマト嫌いだろ
そう言った男は俺の反論的な言い訳的な言葉を何一つ言わせず
イシカに向かって調査結果を報告し出した。
「あ、ヤマト、お前も聞いとけ。」
「おっ、おう…」
「じゃー言うよー。
えっとー、トマトにも分かりやすい様に言ってやると、
上からトマトに大鎌をぶち込もうとした方がクロト。
トマトを壁に貼り付けたのがソラ。
2人とも今年で齢16。所属無し。
どこを調べても本名だけは出てこなかった。
彼女達は何らかの理由で能力者を嫌っているっぽい。
その理由は後でマカイとちょっと調べる。
たった2人でマフィア潰しちゃうようなアレだから強さは侮れんな。
目の能力も多分持ってる。
それも今捜査中。
今分かってるのはそれだけ」
淡々と自分で作ったであろうカンペを読みあげる男。
確かさっきイシカがエルクって言ってた気がする。
「情報少な…」
リーフがボソッと呟くと
「いやだってここに来る10分間だよ!?
むしろ褒めて!?
しかもずっと楽しみにしてた同人誌即売会から帰ってきてやったんだよ!
んで本名わからないと調べるにも調べようがないことだって多いから!」
と今にも泣きそうな顔で言った。
でけェ男が泣きそうになるなよ。
「お、おう…すまん…」
「ありがとうな、エルク。
マカイなら多分部屋でパソコンしてるだろ。続きも頼んだ。」
「はいはいさー。」
エルクが部屋から出て行くと、凄い静かになった。
「クロトにソラかー。しかもあの顔立ち…俺どっかで見たことある気がするんだけどなぁ…」
そう、イシカがポツリと呟いた。