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■第九話■
俺の目をじっと見ながら
真剣な表情でイシカは俺に問う。
やだ俺この空気嫌い。
「きっ、聞きた…くない…」
「よし、話そ…はぁ!?」
俺はイシカから目を逸らしながら否定の言葉を呟いた。
多分イシカは俺が絶対聞きたいと言うと踏んでいたようで、
ランランとした目で話そうとした。
多分コイツ話したかったんじゃね?
「なっ…お前!さっき俺に結構な質問してたじゃねぇかよ!?」
「…それとこれとは別だよ!
俺はお前らのよくわからん事情に巻き込まれたくねぇんだよ!」
そう吐き捨てると、一瞬、イシカは少し悲しそうな顔をした。
俺の見間違いか?
「…ごめん。俺「ただいまー!調べてきたよ!」…おかえり。どーだった?」
イシカが何かを言おうとした時
少しキチガイそうな顔したでけェ男が帰宅したようだ。
その男は俺を見て、
少し笑を堪えながらこう言った。
「お前トマト嫌いだろ?」