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□Ploroge□
2038年、平和な世界の裏では、【目】の能力を使った戦争が行われていた。
一番勝利に有力とされているのは
「シーナ」という大規模で圧倒的力を持つファミリーである。
その後を「サルヴァ」という小規模ながらかなりの力を持つファミリーが追うのだった。
今は、戦争に向けての能力アップの期間━━いわば冷戦状態にある。
しかし、その火蓋が、ある《少女達》によって切って落とされることになる━━……
「ねぇ、クロトちゃん」
「なーに、ソラちゃん」
静まり返った夜の森の中
月がらんらんと照らす一本の大木の上には少女の影が2つ━━
「この戦争、壊したいなぁ…」
「僕らで壊してしまおっか」
2人の少女は、ふふふっと静かに笑いながら呟いた。
戦争を壊してしまおう、と。
「能力者に幸せは」
「けして」
「「あってはならないものなんだ」」
彼女らは、願う。
能力者に不幸を━━━━……