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最後の嘘

作者: 香坂 そよか
掲載日:2026/03/25

結婚を前提に付き合っていた彼が、事故によって下半身不随となる。


それでも彼を支えたいと願う主人公に対し、彼は別れを切り出す。


「僕は大丈夫だから」


その言葉に込められた本当の意味とは——。

私には結婚を前提にお付き合いしている人がいる。

何度も同じ季節を共に過ごしていく中で、私には彼しかいないと思っていた。


-いつもの日常が壊れた-


突然の事故。信号待ちで止まっていた彼の車に後ろから車がぶつかってきた。飲酒運転だった。

ブレーキ痕も無く、そのまま突っ込んできた。


……彼の下半身はもう、一生動かない……


「何か、して欲しいことある?果物剥こうか?」


「僕は大丈夫だよ。いつもありがとう。」


「私達の間に遠慮は要らないよ」


「ありがとう。実は考えた事があるんだけど聞いてくれる?」


彼は優しくていつも感謝の言葉をくれる。考えた事って何だろう?


「僕達、別れよう。僕はこんな体だし君には幸せになってもらいたいんだ。僕の事は忘れて、幸せになってね。」


目の前が真っ暗になった。

私は、本気で彼と一緒になるつもりだったのに。彼に突き放されて胸の痛みを感じながら


「……やだよ」


その一言を、なんとか絞り出した。私は離れるなんて嫌だった。


「僕は大丈夫だから。君のこれからを僕の世話で大変にしたくないんだよ。」


私は必死に嫌だと伝えた。


お互い1歩も引かず話し合っていると


「分かった。僕の負けだよ。」

そう言って彼は笑った。


私は安心して、病室を後にした。


彼の薬はその日から減らなくなった。

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