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まず現状を把握しよう。

金融資産はあるけれど、通販をするポイントがなくて買い物ができない。現地通貨はないので、お買い物に行くこともできない。物々交換できそうなものも把握している限り存在していない。

手元にある食糧は、目の前にある栄養剤22缶のみ。アパートにあった保存食や冷凍食品もある筈だけれど、現状見つかっていないので食べられない。体調の問題から野草を採集するのも難しい。

食料を新たに手に入れるには、ポイントを貯めて通販するしか手段がない。


そもそもポイントとは何ぞ。

ポイントで買い物ができたり、家の設備が使えたり……ゲームじゃあるまいし。納得がいかないというか、なんだか気持ちが悪い。

ともあれ、このポイントとやらが命綱なのは紛れもない現実だ。


「今のポイントを教えて」


『8』


「少なっ!」


タブレットに表示された数字に、思わず声が出た。

買い物に必要なポイント数を考えると、絶望的な少なさだ。いや待て、なぜ何もしていないのにポイントがあるのだ!


「ポイントの履歴とか見られない?」


ダメ元で言ってみると、ズラリと数字の羅列が表示された。これがポイントの履歴ということだろう。


内訳を詳しく見ていく。

履歴の先頭は、ネット通販。それできっちりポイントが一度ゼロになっている。購入品は栄養剤1箱。

そうか、デスクの上にあるこの栄養剤は通販で買ったものだったのか。餓死しかけていた私が多分栄養が欲しいとでも口走ったのを、タブレットが叶えたのだろう。記憶に全くないけれど、おそらく。栄養剤の箱を何とも言えない気分で見やった。


その次は、日付が変わって付与された270ポイント。

だが、即座に266ポイントが消費されている。それが二日繰り返され、現在は残り8ポイント。

付与されたポイントを詳しく見ようとしたけれど、明細はなかった。

この微妙な数値のポイントについて、説明文があって、私有地の整備状況を評価されたポイントらしい。つまり前任者(いるかは不明だけど)の成果ってことか?

わかったのは説明文から察するに、整備状況を良くしていけば増えそうだというだけ。何をどうしたら増えるかは不明である。

使用された266ポイントを調べると、こちらは何に使用されたのかが分かった。明細があったのだ。


【ポイント使用明細】

 第一結界 :100 (結界……?)

 第二結界 : 50

 第三結界 : 50

 第四結界 : 30

 ???  : 20

 空調   : 10

 パントリー: 1

 館内照明 : 5

 ※ポイント不足による動作不良。

  保管庫A~E

  納戸


ポイント殆どすべて使われているのに、足りていないとか。ポイントがある程度たまってきたら、貯まった分が使われてしまい、結局貯まらないという未来が見えるようだ。

エラー内容を確認すると、該当設備の維持ポイントと、起動ポイントが乗っていた。起動ポイントは維持ポイントの10倍らしい。

ちなみに足りていなかった設備の維持ポイントは以下の通り。


【動作不良施設】

 保管庫A : 10

 保管庫B : 10

 保管庫C : 15

 保管庫D : 15

 保管庫E : 25

 納戸   : 5


これをそのままにして置いたらまずそうだ。設備の停止とかできないのか。

色々タブレットをこねくり回したけれど、よくわからない。

というか、保管庫について調べようとしても出てこないし出し方もわからない。そもそも保管庫が何処にあるのかも不明だし、今の状況では詳細が分からない。


タブレットで詳細が出る設備もあるけれど、保管庫は含まれていない。

タブレットに見取り図っぽいのはあるけれど、見取り図に表示されているのは、この部屋と、この部屋を出たホール、ホールを挟んで向かい側の部屋(宝物庫と記載されている)、ホールの階段を上った先にあるクローゼットと、クローゼットを出た先の廊下兼洗面所と、トイレ。つまり、私が一度確認したところだ。

正直洗面所の辺りはほぼ記憶にないが、足を踏み入れた場所であるのは間違いない。


見取り図にある設備(部屋)は、詳細が出ているので、保管庫を見つけたら詳細を表示できるのではないかと思う。

つまり、この家の中を確認しろということだ。

だるくて動くのは正直きついが、これはしょうがない。タブレットを手に確認のため立ち上がった。


しかしここで困ったことが発生した。

タブレットがこの部屋……書斎から持ち出せなかった。ドアは空いているのに、部屋の境目から外に持ち出せない。まるで見えない壁があるかのように。


私自身は何の制限もなく通れるのに、タブレットだけ見えない壁に阻まれて持ち出せない。すごく気持ち悪い光景だった。

なぜだと原因究明をしたい気持ちもありはしたが、とてもじゃないが私に原因究明なんぞできそうになかったし、そんな原因究明よりも現状の確認が優先されるため、タブレットは持ち出せないのだと無理矢理納得させて、手ぶらで確認に出掛けた。


のっけからトランブルでやる気が削がれたけれど、やらないわけにもいかず、どんよりとした気分のまま階段を上った。

階段を上りクローゼットも通り抜け、洗面所のある廊下へ出た。


クローゼットわきのドアはトイレなのはわかっているので、そこは通り過ぎる。

洗面台の横にドアがあり、ドアを挟んで向こう側の壁際は大きな鏡と引き出しがあり、パウダールームっぽい作りだ。廊下の突き当りはクローゼットと同じデザインのドア。

そして突き当たりクローゼットのドアの手前に、トイレと同じようなドアがある。


洗面台と鏡台の間のドアを開けると、広い30畳ほどの部屋だった。右手奥の壁際には大きな窓がある。窓を仮に南側とした場合、開けたドアは西側の壁にあり位置は北側ぎりぎりになる。部屋にはもう一つドアがあり北側の東側ギリギリ。


部屋の確認は後回しにして、廊下の突き当りのドアを先に確認する。ドアから予想していたが、クローゼットだった。全体的に確認したが、こちらのクローゼットには隠し扉などはなさそうだ。


クローゼット横のドア。そこを開けると脱衣所で、風呂場に入った手前にシャワーブースがあり、奥に湯舟と洗い場があった。つまりバスルームだ。


洗面台横のドアから先ほどの広い部屋に戻り、先程は無視したもう一つのドアを開けた。

ドアの先には長い廊下があり、廊下の左手に扉が4つ、右手にはドアはない入り口が1つ、廊下の先の突き当たりにもドアがある。


左手にある一番手前のドアを開けると、地下への階段があった。

隣のドアは、広めの洗面所兼トイレだった。洗面所が広くパウダールーム代わりにもなりそうだ。

廊下側右手、トイレのドアの正面に、ドアのない入り口があり、入口から見て左手に大きなカウンターキッチン、右手側は広間で庭に出られる大きな掃き出し窓がある。ダイニングキッチンといったところか。入口向かって正面は別の部屋へつながっている。ここにも扉はない。

ダイニングキッチンの確認は後回しで、廊下の先を確認する。


トイレの隣のドアを開けると、二階へ上がる階段だった。

一番奥のドアの中は、大きな箱形の機械のようなものが壁際にあった。部屋自体は行き止まりの様だ。箱形の機械を確認するが、何かよくわからない。用途不明の部屋だった。

用途不明の部屋を通り過ぎると、廊下の突き当り。突き当りにあるドアを開くと、一段床面が下がり、コンクリートのような土間になった広い空間だった。雰囲気はガレージで、車換算なら乗用車5~6台は止められそうだ。

ドアのすぐ右手に靴箱なのか大きな棚があり、そこに玩具のような馬車が数台置かれていた。

正面の壁際には出窓風の窓がある。部屋の左手側の壁際は、巨大なシャッターぽいものと、通用口のようなドアがある。部屋のこちら側ドアの続きの壁際には引き戸があり、確認はしていないけれど納戸ではないかと思う。はだしのまま土間に降りて確認はできないので、予想だけれども。


廊下を戻り、ダイニングキッチンへ入った。

左手のキッチンは壁際に作業台となっていて、台の下と頭上に収納となっていた。入口がある壁際にはそこに冷蔵庫がありそうな場所に、ガラスドアで作られた棚があり、これが冷蔵庫なら使い勝手がよさそうなのになと残念になった。キッチンとダイニングを隔てる様にカウンターキッチンがあった。キッチンの奥にも入り口があり、その先にはキッチンと同じくらいのサイズの小部屋(ほかの部屋に比べたら小さいだけで8畳くらいある)があった。


ダイニング側からの入り口を抜けると、暖炉のある広いホールがあった。南側の壁際は広々とした窓がありとても明るい。右手の壁際中央に両開きの大きなドアがある。

ドアを開けると、正面(位置的には建物の北側)に立派な両開きのドアがあった。雰囲気的に玄関と玄関ホールのようだ。


玄関を正面に見て左手側のドアを開けると、先ほどキッチンから見た小部屋があった。

逆の左手側にもドアがあり、そちらには南に向かって短めの廊下になっている。廊下には両突き当りにそれぞれドアがあり、廊下の側面部分にドアが三つ。


廊下には入ってすぐ左手のドアを開けると、ダイニングと同じくらいの部屋があった。奥にはクローゼット、

廊下の側面にあるドアの一番手前の中は、手前側が洗面とトイレ、奥側がバスルームだった。

真ん中のドアは上り階段、

奥側のドアは先ほどと同じくらいの広さの部屋で、クローゼットが一つある。

廊下突き当りも同じくらいの部屋で、クローゼットが一つ。

これで一階部分は全部見終わった形だ。


先ほどの廊下の真ん中のドアの階段を上り二階に向かう。

柱だらけの広い空間で、特に部屋になってはいない。窓は壁際にたくさんあるので、暗くはない。

物置にするくらいだろうか? 二階は自分で壁を作って好きに部屋を仕切って使えという意味だろうか。客間だとか地下室だとか、出した希望は全て階下に揃っているから二階は用途がなく用意されなかったのかな。ここに連れてきた何かは、妙なところで雑だね。


先ほどキッチン手前にも上り階段があったので、そちらから降りられるだろうと奥に向かうと、予想通り階段があった。

階段を下りてドアを開けると予想通りメイン寝室を出たところにある廊下に出た。

下り階段のドアを開けて地下へ向かう。

地下へ向かう階段は、途中で折り返して下っていく。

位置関係的には、ダイニングキッチンや、広間や玄関ホール側の地下にあたりそうだ。


階段を降り切ると真っすぐ廊下が伸びており、突き当りと左右に二つづつドアがある。

手前側から中を確認していく。

手前左側は重そうな棚が幾つも並んだ空っぽの倉庫っぽい。棚は可動式の様で取っ手が付いていた。

手前側右のドアは、固定式の棚か冷蔵庫のような物が設置された倉庫っぽいところだった。いくつか開けてみたけれど中身は何も入っていない。扉には何か設定できるボタンなどがあったので、何かの機械なのかもしれない。

奥側のドアは、両方とも手前側と同じ作りだった。

突き当りの扉は手前の部屋の倍以上の大きな空間で、壁際には作り付けの大きな棚が並んでおり、中央部には何か吊り下げできる金具やらがある程度で空いている。ここも空っぽの倉庫のようだ。

地下はこの五つの倉庫のみのようだ。


この家の中はこれで全部見たはずと、地下の書斎に戻った。

体調が悪い中、休み休み見て回ったが、非常に疲れた。

すぐにでもタブレットを確認したかったが、眩暈やら息切れやらがひどくほんの少し休もうと目をつむった。

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