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平民との運命?ならば上回る運命をぶつけてみませう。

夏至祭。

宵闇の中、淡い光を放つランタンに照らされて会場は賑やかな雰囲気だ。

和やかな空気を裂くように壇上から声をあげた者がいる。


「私は運命の愛を手に入れた!貴様のような地味な女との婚約はここまでだ!」


私の元婚約者が薄笑いを浮かべ平民の娘を抱き寄せて叫んでいる。

行き交う人が怪訝な顔をして此方をみている。

あなたの言う運命なんて本来は浮気なのに後出しジャンケンみたいに誤魔化しているだけじゃないの。


スン…と心の底が冷たくなる。


「破棄の件承りました。正式な書類は後日対応させていただきます。」


もう少し食い下がると思っていたのかしら?

三文芝居ではなく本物の運命を見せてあげる。

扇で隠した口元から思わずフフフと声が漏れる。

下品と叱られてしまうかしら?


「実は…私も最近運命の出会いを致しましたの。」


それまでニヤニヤと優越感に浸るよう壇上で笑っていた元婚約者は赤黒い顔で浮気していたのかと唾を飛ばしながら激しい剣幕で怒鳴り始めた。

愚鈍な人ね…男女の恋愛だけが運命とは限らないじゃない。


スッ…と人混みに向けて手を伸ばした。


「先日、用事で港に出かけたのですが風で帽子を飛ばされてしまいましたの…拾ってくださった相手が生き別れた双子の姉なんて…運命だと思いませんこと?」


現れた女性がパチンと扇を閉じる。

泣きぼくろが左右どちらかの違いだけで瓜二つの双子の姉だ。


「「「「「まぁ!!」」」」」

壇上に背を向けたオーディエンスの歓声が上がる。

背を向けられた道化達は口をはくはくしている。

騒ぎを聞きつけた家の者が駆けつけたみたいね、後はお任せしようかしら。


「ワタクシ達、失われた姉妹の時間を取り戻すために忙しく成りそうなんですの。」


姉は私達を引き裂いたお祖母様が亡くなり(障害物が消えて)母と私を探しに来た港で劇的な再会を果たした。

今頃、姉の指示で母の所に父が向かっているはず。

これから忙しくなりそうだわ。


ヒーローが新恋人じゃない上にある意味元サヤ。

メンタル٩(๑òωó๑)۶ツヨツヨ!

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