96 レイ
帰り道に女性ゴーストじゃ呼び難いから、幽霊の霊からとって、レイと名付けた。
しまった完全に忘れてた、レイは名付けられた事により姿が変わっていた。
姿が幼児形態になっていた、何故だ??本当に意味が分からない、この世界は不思議だらけだ。
アニーを連れてゴースト退治に行ったことは伝えてないがバレてるだろう。
幼児体型になって可愛らしくなったレイをダシにするか?可愛くなったとは言えゴーストだ、そもそもレイを何て説明したらいいのか?
コッソリ抜け出したがうちのマミーは鋭いのだ、ダメですと言われてしまってるので足取りは重い。
「お母さん〜飼って良い?」は
「戻してきなさい!」だよねきっと。
戻せられない事情もあるからなぁ〜。
レイは容姿を特に気にしてなかった、記憶が無いからなのか分からないが、へーそうなんだ、で終わった。
元々は膝までのワンピースの様な形だった服装が、ダボッとした足まで隠れた形になっている。
本当に足取りが重い、帰り道が普段の倍の時間は経っている。
なんとかなるさと思っていた自分を殴ってやりたい!痛いから殴らないけど。
レイか、幼児かぁ ヨウジさん元気かな、ガンジも…おっ?
ガンジ!そうかガンジなら幼児のレイも預かってくれるかも知れない!既に人魚とか意味分からん者も受け入れてるし!
そうと決まればレイは一旦隠して、夜中にでも決行だ!重かった足取りもなんのその、ピューと言わんばかりに家に戻る。
と、思っていた時期が僕にもありました。
僕はマミーの前で正座をしている、しかも土の上でだ、先程も言った通りうちのマミーは鋭い、いや鋭すぎるのだ。
隠そうとする前に捕まって、布袋に入っているレイも見つかってしまった。
「どういう事じゃけ!」
言葉使いから興奮してるのか、怒ってるのかの二択しかない事が分かるようになっているので、言葉を選びながら伝えなければならない。
「えーっとですね、どうしても欲しい物がありまして、ですねぇ」
「ダメだと伝えたけ!」
「えーっと、それがかなり高くてですねぇ都合良いクエストがありまして…。」
「それを聞いてダメだと伝えたんじゃけ!」
ダメだ、取り付く島もない。
日が暮れるまでセリーヌのお叱りを受けるジュリオだった。
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「報告します、調べた所おかしな点は幾つかありました、まず荷馬車の運び手に聞いた所二人でロック鳥の解体をしてたそうです」
「続けてくれ。」
「次に鍛冶屋に聞いた所、工具製作依頼と今はおかしな鉄の板を組み合わせた大きな箱のような依頼を受けたそうです。」
「また、今回の依頼主の所に報告を兼ねて聞きましたら、アニーさんと一緒に依頼内容を聞いていたそうです。」
「更に神父のゼーレ様に聞いた所、あの神童は4つの親和性を持っていると興奮していました、これは聞いて良かったのか分かりませんが…。」
「後はそうですね、直接あの子が関わってるかどうかは分かりませんが、空飛ぶ魔道具の積み込みはダルクさんが主導で行ってるそうですね。」
ギルド長はフーっと深い息を吐いてローズにこう聞いた。
「なぁローズ、ロック鳥を矢で倒すのって矢は何本必要だ?」
「見当もつきませんね…。」
あの小僧にはきっと何かあるなと睨みつつも、ギルドも街も、あの小僧が絡んでからの方が確実に助かっている。
調査は中止だ、助かったと言ってローズを労うギルド長だった。




