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老後生活からの異世界転移は即死スタート!?  作者: マグロちゃん
第六章 弟子?いや弟弟子

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93 ゴースト

「アニーさんや、お金を稼ぎたいとは思わないかね?」


 稼ぎたいのは僕なのだが、ものは言い用だ、物入りのアニーも欲しいのは間違い無い筈。


「実は良い話がありましてね〜」


 両手を擦りながらニタッと笑う、どうしてしたか分からないが、しなければならない気がした。


「〜とまぁこういう事で浄化を覚えてゴースト退治でウハウハの巻ですよ、なぁに、報酬は折半でも金貨1枚と銀貨5枚です!」


 ゴーストと聞いて多少怯んだアニーだったがこのおかしな兄弟子が付いて来るというのだから危険は殆ど無いと思えた、そして報酬が魅力的過ぎる。


「やりましょう!」


 アニーの目が金貨になっている様に見える。


 では早速と一度魔素タップリの水をアニーに飲ませてからブラウゼアの街へ急いだ、クリスは置き去りだ。


 僕等はブラウゼアの街まで走って向かっている、ストレングスを使っている僕とは違って、アニーは疲れてしまうがそこはリカバリーを掛けてまた走る。


 そして冒険者ギルドに二人で駆け込んだ。


「ギルド長コレ!コレ受けに来ました」


 はぁ?とした顔をするギルド長のおじさん。


「坊主遊びじゃねーんだぞ?ゴースト退治だ、さっき言った通り浄化魔法が必要だっつーの!」


「だから使える人を連れて来たんですよ」


「アニー・ブラウゼア?光魔法が使えるなんて報告は無かったはずだが?」


「使えるようになったんですよ!」


 アニーも少し緊張しながら頷く。


 光魔法と言えば回復魔法が主だ、伝わりにくい浄化魔法より、回復魔法が使えれば同じ系統の浄化魔法も使えるだろう。


 そう考えたギルド長はナイフを取り出して自分の腕を少し切った。


「治してみろ」


 それだけ言って腕をアニーの前に出した、薄っすらと血が滲んできている。


「リッリカバリー」


 緊張しながらもアニーが前に出した両手から白と薄いオレンジ色の光がギルド長の腕を包む。


 目を細めてそれを黙って見るギルド長が血を拭って言った。


「良いだろう、紹介はしてやる、だが決めるのは依頼主だ。」


 そう言って紙を剥がして、受け付けのお姉さんに渡して説明をさせる。


 依頼主はモルド・ブラウゼアという名前の鉱山の所有者だった。


 大通りのエリンさんの商店に近い一等地に住んでいると聞いて足を運ぶ。


「ゴーストは男と女の二体、悪さをするのは男のゴーストだけだが、作業員が怖がるので両方退治して欲しい」


 モルドは特に僕等を試すこと無く依頼してきた、どうやら急いでるという、鉄鋼が取れなくて困っているそんな事を言っていた、確かに鍛冶屋でも聞いたっけ。


 無事依頼を受けた場所は、ブラウゼアの北東にあるアヴェーナ鉱山という名前だった、アヴェーナ地方にあるからアヴェーナ鉱山なんだろうね。


 また日没には少し早い、距離もそこ迄ないから、行って戻るだけなら日が暮れる前には帰れるとは思うが、慎重を期して今日は止めておく、鉱山は暗い筈だからダルクの持っている魔導書が欲しい。


 あっ、光の魔法でそういう魔法は無いのかな?まだ時間があるから教会に寄った、アニーに祈りを捧げさせてまた光の精霊を連れ出す。


 流石光の精霊だ、普通にあった。


「ライト」


 光の精霊が唱えるとポワっと明るくなった、目を背けるような明かりではないけど、光源としては十分だろう。


 度々連れ出した事に謝罪とお礼を言って家路に着く、帰り道は特に急がないのでアニーと話しながら帰った。


 色々聞かれたけど、何でだろうね〜アハハと誤魔化した。


 転移して即死して転生して今ココですとは言えないよね?


 コイツ大丈夫か?と病院じゃなく神父の所に連れて行かれても、残念ながらリカバリーもソウルクレンズも使える僕には一切必要無いからね。


 帰るとクリスがまた倒れていた、今度は痣が出来てたのでリカバリーを掛けてやった。


 容赦ないなヤミー。

 ナハハ面白いなー、今度はこっちだ!ほらほら脇が甘い、甘いぞー?ドッペルパーンチ!


 ズンッ! ぐへッ


 ナハハ、人とのチャンバラ面白いなー







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