92 光明
浄化の魔法は覚えた、お風呂の手筈はお金さえあれば出来そうだ、お金を稼ぐ手段も見付けた。
あとはどうやってクエストを受けるかだけだったが、コレがどうしても答えが出ない。
ハーイ浄化使えまーすっとやれればどんなに楽か分からないが、それやっちゃダメな手段だからどうにもならない。
家族と弟子二人以外では神父と領主がジュリオは4つの親和性を持ってると知っている、光魔法なんて使った日には5つ目だ、そしてそれは必ず神父の耳に入るだろう。
光か、光ねぇ…。
片道2キロの道を通って家に着くと、クリスが倒れている、ヤミーに絞られたんだろう。
「リカバリー」
クリスに回復魔法を掛けてやった。
「エッ?エエェェ?」
ガバッと跳ね起き、叩かれたであろう痕を見てから顔を僕に向けた。
何か言いたそうにしていたが、それを待たずに家の中に入った。
「お母さんあのね、冒険者ギルドの依頼でね、ゴースト退治ってのがあってね」
「ダメです」
くっ、先手を打たれた。
「どうしても金貨1枚と銀貨5枚が欲しいんです!」
僕は必死に食らいついた。
いくらか裕福になったとはいえ、金貨1枚は大金だ、ホイホイ出せる値段じゃない。
全然聞いてくれないセリーヌが火を付けようとカチカチしたので。
ファイアバーン 火を付けた。
黙ってお母さんがコップを取ったので。
アクア 水を注いでやった。
「ねぇお母さ〜ん」
セリーヌは頭を抱えていた。
「頭痛いの?リカバリー」
セリーヌのこめかみがピクピクしていた。
「そうじゃないけ!何やってるんじゃけ!」
悪い事はやってないが、悪い悪戯したとは思っている、反省したポーズは取らない。
「おかしいけ〜この子」
ボソッと聞こえた、心外だなそれは。
セリーヌはそれでもダメとしか言わないので外に出た、ウーンどうしよう。
回復したクリスがまたヤミーの相手をしていた、軽くやられている。
クリスかぁ、クリスねえ、そうだ!クリスに覚えさせよう!ソウルクレンズは必要なくともリカバリーが使えればかなり有用になる、しかも冒険者だクエストも受けられる!
全てが合致した!クリス最高だ!
と、思っていた時期が僕にもありました、クリスは全然魔素を感じないみたいだ。
僕はクリスをヤミーに返してアニーの成果を見に行く、クリス最低だ!
「あっジュリオさん、ちょっと見て」
「ファイアプットオン」
おっ!ほんの少しだけど身体から炎が出ている、当然熱くない炎だ。
パチパチパチパチと手を叩いて褒める。
「えっとそれじゃ次は炎の攻撃魔法を」
「やりません、光の魔法にしましょう」
浄化と回復が使えればかなり有用なので先にそちらを覚えましょう!
俄然やる気が出てきた僕は光魔法をグイグイ推した。
アニーにお風呂への光明が見えたからだ、光魔法だけに。
「へ?光の精霊付いてませんよね私?」
「大丈夫です、僕が教えます。」
はい?って顔をされたが気にしない。
「ソウルクレンズこれは浄化魔法で帰れ!って思いながら唱えます、ブリッツ帰れ!で良いと思います。」
「はい両手を前に出して〜魔素を両手に流れるように〜はいそこで、ソウルクレンズですよ!」
弱々しいが少し光った気がした、これは本当に分かりにくいから仕方ない。
アニーの魔素量も少ないのかも知れないし、後でタップリ魔素を注入した水を飲ませるか。
アニーを連れてクリスの元に戻ると、まだ倒れては居ないものの、腕にミミズ腫れが出来ているクリスを止めて、片腕だけリカバリーを掛けてやった。
「これは回復魔法でリカバリーって唱えます、治れ!って思いながらやれば良いと思います多分。」
そんな説明は受けてないけどきっとそうだ、病は気からなのだから。
アニーはクリスのまだミミズ腫れが残っている腕に向かって
「リカバリー」
ほぼ白の温かいとは言えなそうな光がクリスの腕を包んだ。
ほんの少しだけどミミズ腫れが薄くなった。ヨシいける!薄かろうが弱かろうが使えればいいのだ!
だって僕も付いて行くから!




