91 お風呂に向けて
どうしよう、飽きた、飽きました!
人が剣を振ったり躱したりしてるのを見てるだけだ、寧ろイテッと聞こえた時の方が楽しいまである。
最早僕要らなくない?ヤミーに任せれば済むんじゃない?クリスも頑張って上達しているが、疲れない人形の方が有利でセリーヌ先生の授業も一緒になって聞いてるせいで動きが上達している。
クリスが一歩進めば1.5歩進んでるようなものだ。
それに僕が見てた所でアドバイス出来ないし。
新たに手に入れた炎と水魔法でお風呂実現がかなり近付いたから、ソッチのほうに興味が移っている。
アニーの魔法は危なくないし、魔素を纏う練習ならリーネだって教えられる。
洗濯だって料理だって女性の手が増えたから少し分担が楽になっている、うん、僕は要らない子だな。
そうして僕は気付かれる前に抜け出して、ブラウゼアの街に来ている、行く先はあの鍛冶屋だ。
「おじさーん大きくて薄い鉄の板って作れますかー?」
「何だ、この間工具を買った坊主じゃねーか、薄い鉄の板だ?作れるがどのくらいの大きさが必要なんだ?」
「んー説明が難しいなぁ、おじさん地面に書いていい?」
許可をもらって土に絵を書いた。
「こんな感じでここは70センチ位で下は、ん~1.5メートルってとこかな?」
「何だそりゃフルプレート位の鉄を使うじゃねーか、中に入れるのは、は?水?」
「水がめじゃダメなのか?は?火に焚べる?ウーン出来ない事は無いが、その大きさは簡単ではねーな、今鉄が中々手に入らないんだ、値段も上がってる」
「これを作るならそうだなぁ金貨1枚と銀貨5枚ってとこか?用意出来るのか?坊主に」
「ん?用意する?ならまずは前金で銀貨5枚ってとこだな、用意出来たらまた来い。」
一気にお風呂の現実味が帯びてきた、さてお金をどうしようかな?取り敢えず困った時の冒険者ギルドだ!
掲示板まで椅子を引きずって靴を脱いで登り貼り付けられた紙を見る、薬草の依頼はまた出てるからコレと、ウ~ンあとは、ん?ゴースト退治金貨3枚鉱山?
「おじさーんこのゴースト退治って何?」
「あー?またダルクの所の坊主か、ガキが来る場所じゃないんだがなぁここは」
尻をボリボリ掻きながらいつものおじさんが言う。
「それに俺はギルド長だぞ坊主」
おっ!ギルド長?流石精霊二体付きってとこかな?
「ギルド長のおじさんゴースト退治って何?、どうしたら倒せるの?」
「何だ?ダルクにでもやらせるつもりか?流石に浄化魔法でもなきゃ厳しいと思うぞ?ダルクが使えるのは闇魔法だろ?無理だな。」
浄化魔法ね、それなら次の行き先は礼拝堂かな。
礼拝堂を訪ねる、それらしい理由なんて無いから祈りを捧げるフリをした。
元の身体の赤子のジュリオも重雄だった頃も助けてもらった覚えはない、そんなものに心からの祈りは捧げられなかった。
目的はこの礼拝堂に居る光の精霊だ、フウタに頼んで外に連れ出してもらう、礼拝堂の中で虚空に向かって話すのは都合悪かった。
静寂に包まれてるからね、ここは。
重雄だった頃にフウタと話した街路樹の所に向かった。あの時倒れた木は生え変わっている、まだそんなに大きい木ではないが。
光の精霊に頼んで浄化魔法を見せてもらった。
「ソウルクレンズ」
おお!全く分からない、ピカッとした?そんな、感覚だった。
今迄で一番形になっていなくて難しいのでコツを聞くことにする。
「帰れ!って強く思う感じ」
わー凄いアバウトだ、釣った魚がフグだった時を思い出して
ソウルクレンズと唱えた。
ピカッとしたのでこれでどう?と聞くと問題無いらしい。
折角なので回復魔法も教わっておく。
「リカバリー」
白とオレンジの混ざったような温かい光が、光の精霊の手を包んだ。
おーこれは神父がやってたのと同じやつだな。
「リカバリー」
白とオレンジの混ざったような温かい光が僕の手を包んだ。
「出来てる?」
光の精霊が頷いたので、お礼を言って帰った。
フグは敵だ!




