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9 マリモか?

 てくてくと暫く歩いてると新たに気付く事もある、一切疲れる事がないし、やはり喉の渇きを訴える事も、腹が減ったと感じる事もなかった、おまけに膝の痛みも腰の痛みもない。


 暑さや寒さを感じる事も、強風を気にする必要もなさそうだ。


 実際質量があるなら風に吹かれて飛んでしまうから浮遊霊か?等と考えながら歩いていたが、それは違うみたいだった。


 だって付近の木の枝めちゃくちゃ揺れてるのに風を感じないから。


「ん??なんだなんだ?あれマリモ?」


 なんというか、違和感みたいなものを感じた。


 何かそこに有ると感じ注視していると、薄い緑のマリモのような奴がいた。


 マリモに手足がくっついた様な?サイズ的には10センチよりは大きいかな、重雄の掌と同じ位だ。


 本来どちらかと言えば平和的で臆病な分類の重雄も、自分の死を経験して多少気が大きくなったみたいだ。


 近付いて調べてみたい衝動に負け、マリモもどきに真っ直ぐ向かってみる。


「こんにちは!聞こえるかな君は何者だい?」


 手の届きそうな距離まで近付いた重雄は声を掛けてみた。


 マリモもどきと視線がぶつかった、マリモもどきは目をパチパチさせて重雄の姿を上から下まで確認してから周囲をキョロキョロし、いや俺じゃないなみたいなジェスチャーをしている。


「いやいや、君だよ君」小動物の様な可愛さに親しみを感じた重雄は、マリモもどきを指差しながらもう一度声を掛けた。


 えっ?俺の事と自分に指差して聞いている気がしたので重雄が頷くと


「ワチャウチャウ!」


 マリモもどきは言葉として全く聞き取れないが、言葉だろうものを言いながら両手を前に出した。


 途端に砂煙が重雄の目前で起こっていた、風が渦巻いているように見えるが、重雄はノーダメージだった。


 やはり平気だった事に気が大きくなった重雄は、両手の掌を上にしてアメリカ人ばりのジェスチャーでWhy?な動作をした所、マリモもどきは驚いたのか目をまんまるにして2.3秒程固まっていたが、すぐに新たな風を起こし飛んでいってしまった。


「多分今のは攻撃されたんだろうな。」


 あまりにも小動物な雰囲気を出していたマリモもどきが相手だった為、気が大きくなって近付いた重雄だったが、対話するどころか攻撃されたのだろう事実を重く受け止めた。


 まぁノーダメージだったんだが。


 フーと一息つくと、地面にはリンゴに似ているというか、まんまリンゴな果実が転がっていた。


 これを落とそうとしてたのか?重雄は拾おうとしてみたが、触れる事は出来ても持つ事は出来ないことを知り諦めた。


「あのマリモもどき飛べたり風起こせたりスペック高いな。」


 自身が残念でならない重雄はそう呟くとまた歩き始めた。


 ―――――――――――――――――――――――


 風の精霊A 「ちょっと聞いてよ!さっきゴーストみたいなやつに話し掛けられたんだ!」


 風の精霊B「アハハ 何それあんたビビリだから変な幻覚でも見た?それとも毒キノコでも食べた?真っ昼間よ?今」


 風の精霊A「いや、そんなんじゃなくてさ何か聞いたこともない言葉で話し掛けられたんだ、しかも邪気が無いんだよ。」


 風の精霊B「なにそれ怖〜い、あっ邪気が無いなら怖くなさそうねアハハ」


 風の精霊A「咄嗟に中級の風魔法ぶっ放したんだけど全く効いてないみたいだったんだよ!」


 風の精霊B「ちょっとぉ良い者だったらどうすんのよあんた!全く単細胞ね」


 風の精霊A「ちっ違、くそぉ話にならない」


 風の精霊Aは泣きそうな顔で逃げ出した。


 風の精霊B「あっ待ちなさい!爺様に言いつけてやるんだから!」

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