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老後生活からの異世界転移は即死スタート!?  作者: マグロちゃん
第二章 異世界転移

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7 ここどこだ?

 あぁそうか、私は死んでしまったのだな。


 冷静に状況を把握した重雄は眼下を見下ろし呟くように言った、いや正確には言ったように感じるというか。


 口を、喉を、声帯を震わせる器だったものは、眼下で手足や首が有り得ない方向を向いて血溜まりの中で動きを止めているから。


 これで実は生きてましたなんて話であれば、世の中の転落事故死は一件も起こってないだろう。


 死んで幽霊とかそんなものになったのか?今の自分の状況を分析しつつ、生前と同じ様に動かせる霊体の両手をじっと見た。


 ボロボロのダウンジャケットから出てる両手は半透明というのかな?今の自分の全身をペタペタと触ってみると、触れているという感触はある。


 不思議な事に両手も首も折れたり曲がったりしてる訳でもなさそうだ。


 おもむろに自分の()だったものに触れようとしたがこれはダメだった、透過してしまう。


 人間死ぬと体重が5g程減るとかなんとか聞いた覚えがあるから、その5gが今の状態みたいなもんか?霊体?の身体で両腕を組みながらぼーっと考えてみる。


 重雄はすぐその思考を止めた、そんな事より色々おかしい事に気が付いた。


「ここどこだぁぁぁぁ!?」


 意味が分からない、重雄の死因はイノブタとの戦いで崖から落ちた転落死だろう。


 死体を見ればまぁ山から滑走して落ちたらこうなるだろうなって感じになってるし、自分自身イノブタと滑走して落ちた記憶はある。


 なのに、なのにだ、周囲に山がない。


 辺りを見渡すと、鬱蒼とした木々の中に不自然な死体がポツンと転がってるといった形で重雄の器が佇んでいる。


 全く理解が追いつかないのに重雄は全てが分かった、分かってしまった。


 ()()がゆっくり近付いてきて重雄の器だったものに覆い被さっているのを今見ているから。


 世間一般的に認知のあるファンタジー世界の定番のあいつだろう、あいつだろうけど思ってた以上に気持ち悪い。


 スライム(それ)は重雄の器だったものを徐々に溶かしているようだ。



「異世界転移即終了って事ぉぉ?」

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