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老後生活からの異世界転移は即死スタート!?  作者: マグロちゃん
第五章 モンベルの漁村

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68 ペータとクララとフーちゃん

 4羽の雌鶏がいる鶏舎には子ヤギ2頭は少し小さかったので、ドッさんに頼んで少し離れた雑草が生えてる箇所に天井の無い囲いを作ってもらった。


 意外と子ヤギは大人しくその中の草を食べている、どうも好んでるようだ。


 成長したヤギと違って目が可愛い、リーネもペータ、クララと名前を呼んでいる、その内ダルクがヤギの小屋を造るだろう。


 暗くなってきた、今日はここ迄にしようと工具と塗料を片付けた。


 リーネを呼んでアクアで水を出してもらう、両手の小指側に黒い塗料が付いてるのを落とすと、まだ乾いてない盤面はそのままにして家に入る。


 フウタはまだ帰って着ていない、とっくに着いたはずだが、モンベルで荷物を積み終わってブラウゼアの街に向かっている頃だろう。


 そう言えばリーネに付いてる風の精霊にはまだ名前付けてないなと思い出した。


「お姉ちゃん風の精霊に名前付けていいよ」


「ヤッターそれじゃあねー、フーちゃん」


 とっくに名前は考えていたみたいだ、リーネが左肩を見ながらそう話すとやっぱりこの精霊も姿を変えるが、プヨプヨしてる様に見える。


 付いた相手が男と女で違うのか?変化した精霊は僕とリーネ、ダルクしか見て居ないから判断材料が足りない。


 今の所は男に付いた精霊はトゲトゲ、女に付いた精霊はプヨプヨと別れているが。


「きたわ!やっと来たわ!フーちゃんね!やったわ!コレよコレコレ!ヒャッホー!」


 姿を変えた精霊が少し騒がしいがリーネには精霊語でしか聞こえて無いはずだ。


 ん?と首を傾げている、ワチャワチャとしか聞こえないのだろう。


 が、リーネに付いているミーちゃんが通訳している便利だなコイツ。


 その内フーちゃんも話せるようになるでしょ、リーネに体調の変化は無いかだけ確認したがやっぱり平気そうだった。


 一応魔法の出力がとんでもなく上がっているはずだから気を付けてとフーちゃんに忠告をしておく。


「ハイハーイ分かったわ!」


 となんか軽いが一応伝えたし、いいでしょう



 ―――――――――――――――――――――――


 一方モンベルの街


「おー!来たけぇ、本当に来たけぇ!」


 まるで宝の山を見るような目で飛んできた台車を眺めている。


「すまんがこれを一度家の中に仕舞って欲しいけぇ、手伝って欲しいんじゃけ!」


 ガンジが上に置いてある大きな布を持つと重く感じた、広げると革袋に銀貨と大量の銅貨が中に入っていた。


 集まった皆が一番手前の部屋に荷物を運ぶ、綺麗に掃除が終わっている部屋にガンジが大きな布を敷き、そこに荷物を積んでいった。


 全部運び終わったらニア以外の全員で塩、魚、大麦を積み込む。


 ニアは適当に置かれた荷物を整理している。


「あっこの服いいなぁ〜」


 手にとった服を身体にあてたりしながらも、しっかり作業は進めていた。


 全ての荷物を積み込んだガンジ達村人は麻で編まれた一枚物の布を上に被せて麻のロープで縛って固定した。


「これでいいけぇ」


 額の汗を拭きながらまた台車が飛ぶのを待っている、フワフワと台車が地面から離れて飛び去るのを見送る。


「本当に凄いけぇ、これで村が助かるけ」


 村人に売り上げは来週飛んで来たときに明細書と一緒に来るはずだと説明して皆を連れて家に入る。


人魚(マーメイド)商店にようこそ!」


 荷物の整理が終わったニアが元気にそう言った。


 村人達は改めて服や雑貨を手に取ると付いている値札を見ながら思案している。


「家にいる母ちゃんを連れてくるけ!」


 そう言っていそいそと家に帰る者も居た。


 貧しいが今迄買うものが無かった村だ、何も持ってない訳じゃない。


 馬鹿なバリンは村人が買えない様な需要の無い高額商品を持って来てたので誰も何も買わなかっただけだった。

 それじゃ、入らせてもらうか。クェェェェ?

何の声だ?ヒッ!ヤバい何だコイツは!足に力が入らない逃げなければ!動け動け!足に力が入らないなら手を使ってでも逃げなければ。


 クソ!動きはゆっくりだが逃げ道が山しかない!それでも逃げなければ、何だコイツは鳥なのか?分からんが逃げなければ!

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