60 積み込み作業
ガンジの家の前へ空から台車が降りてきた。
外は静寂が支配していて誰もその事には気付いていない。
ガンジの家の窓が開いて居るので中に入った四体の精霊はニアの部屋に行き布団の中に潜り込んだ。
夜が明ける頃起きたガンジが外に出ると約束通り台車だけがポツンと置いてあった。
昨日の朝のうちにヨウジ、ヒデ、ゴロウはモンベルを出ている。
塩の精製作業をしているヨウジさんを代表とした仲間の三人とゴロウさんの息子がガンジの家に泊まっているので起こす。
塩の精製場まで台車を運び大きな塩壺を台車に積み込むとまだ積めるスペースが残っているのでゴロウの家に行って麻の袋に入った大麦を積んだ。
台車は重かったが3人で引けばゴロゴロと動いてくれた。
全部で5人居るので代わりながら運んでガンジの家に着く。
ヒデさんの家から娘が出て来て塩漬けにされた魚をいくつか積んだ。
台車に麻で編んである一枚物の布を台車に被せ麻のロープで台車に縛って固定した。
夜に台車が飛び立つと聞いているので一度解散してまた日が落ちる頃集まる事にした。
ガンジがニアを起こして少し遅くなったが漁に出掛けた、四体の精霊も付いて行く。
船に乗って沖に出て網を引くが時間が遅いのか全然魚が捕れなかった。
見ていたライが海面に向かって
「ボルト」
と唱えると、海面がパリパリと光り小魚がぷかぷか浮いてきた、ガンジとニアは顔を見合わせて驚くがジュリオに付いている雷の精霊が居るのだろうか?見えないから分からない。
フットを解除したニアが海に飛び込んで浮いてる魚を船に積んで家に帰る。
捕れた小魚の頭をもぎ取り内臓の処理が終わった頃皆が集まってきた。
ニアとガンジを含めた村人が台車が飛ぶのを今か今かと待っている。
空がどっぷり暗くなった頃、四体の精霊が台車に乗り込んだ。
「フライ」
台車がふわふわと浮いていく。
おおっー! パチパチパチパチ
歓声と拍手が鳴った。
「ウインド」
台車が空へと消えて行く。
山の麓へと戻って来たフウタ達は開いてる窓から家に侵入するといそいそと寝ているジュリオにかかっている毛布の中に潜り込んだ。
朝になってフウタ達が毛布に入ってるのを見た、僕が外に出ると、荷物が積んである台車があった。
あとは、ヨウジさん達が着くのを待つだけだ
リーネが起きてきてコッコ達の餌を与えている、そう言えば忘れていた。
「お姉ちゃん水の精霊に名前付けてみる?」
「えっ、いいの?」
リーネの顔がパァッーっと明るくなる。
「ンーンーと暫く悩んで、ミーちゃん!」
右肩の上の精霊を見ながらそう言った途端に水の精霊に変化が訪れた。
何ていうか、トゲトゲゴムボールではなく身体全体がプヨプヨしてる様に見える。
「ミーちゃん!光栄ですぅ〜」
「わーいミーちゃん宜しくね!」
あれ?僕には普通に声が聞こえたがリーネにも聞こえてるのか?偶然返事したように見えただけか?
「お姉ちゃん水の精霊の声聞こえてるの?」
思った事を口に出して問いただした。
「うん聞こえたよ?光栄ですぅって」
と魔素を吸われたリーネは元気に応えた。
長い事リーネに付いている水の精霊も人語を理解しているようだ。
「こっちの子には付けちゃダメなの?」
と聞かれたので
「今日はまだダメ」
と応えておく念の為に、ね?
※元々重雄だった頃に精霊語を日本語として聞こえていたのを日本語→この世界の言語に変換して聞こえるようになっています
なので通常他の人は精霊語で話しかけられてもワチャワチャ言ってるようにしか聞こえません。m(_ _)m
尚エピソードも60となりました!
たまにファンタジー部門のランク報告が入るようになりました、まだ300位以内とかですが、皆さんのおかげです有難うございます。 m(_ _)m
引き続き応援宜しくお願いします。




