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老後生活からの異世界転移は即死スタート!?  作者: マグロちゃん
第五章 モンベルの漁村

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53 海じゃけー

「ウーンめちゃくちゃ綺麗だな」


 前の世界で釣り好きだったから海には足繁く(あししげく)通ったものだ、タバコの吸い殻もペットボトルやゴミの無い海を見て素直にそう思った。


 あるのは綺麗な海、砂浜、貝殻、倒れた人魚、特に変哲もないってエエッ人魚!?


 目が飛び出るかと思う程見開いて恐る恐る倒れている人魚に近付く。


 水色の髪に隠れてまだ顔は見えないが上半身は人そのもので、下半身は魚の鱗と尾ビレがついている。


 念の為離れた所から観察しているが人魚はピクリとも動かない頭の上にはヒトデが乗っている。


「あの〜大丈夫ですかー?」


 声を掛けると返事代わりに、人魚からグゥゥ〜と音が鳴る、おっ?生きているようだ。


 少し安心したが、生きてるって事は逆に危険が無いとは言えない。


 初めて見るから良く分からないが、生きているならまぁ平気だろう、それより魚をどう調達するかだ!


 立ち去ろうとしたその時。


「この人でなし!普通こんな美少女が倒れてたら助けるでしょ!?」


 人魚がカバっと上半身を上げて言い放ってきた、いや顔見えなかったし、ヒトデ付いてないのは普通だし。


 あ〜ある意味ヤバそうなやつに声を掛けてしまったなぁ、お腹が空いてる様に見えると言うか、お腹空いたと音とジェスチャーで訴えてくる。


 年齢は人で言えば12.3歳ってとこかな?目は垂れ目で顔はそこそこ愛嬌のある顔をしているがペッタンコだ、何がとは言わないがペッタンコだ。


 貼り付けてある貝殻が痛そうに食い込んでる、ウ~ン前の世界で想像図として見たことがある人魚はグラマラスだったけどな。


 視線に気が付いたのか


「何よ!」


 と頭の上にあるヒトデを投げてきた、が、外れた。


「フゥー色々残念人魚だな」


 ヤレヤレと両手を広げてそう言って立ち去ろうとしたが、足元にしがみつかれてしまった、オイやめろズボンが脱げる。


「魚捕って食べればいいんじゃ?」


 至極真っ当な質問をするとウッと小さな声で


「そのぉ〜魚そんなに好きじゃないって言うか〜飽きたのよね〜」


 自分が投げたヒトデを拾いながら人魚はそう言った。


 魚を捕れない訳じゃなくて飽きたから捕ってないって事か?


 それなら何か食べ物持ってきたら物々交換出来るかも知れない。


 砂山を作って棒を倒さないようにするゲームをしているフウタにちょっとこの辺に何か生ってる果物は無いか探してきてと頼んだ。


「ちょっと待ってて」


 人魚にそう言ってガンジの家に戻ると、お土産だったはずのリンゴを一つ手にとってまた人魚の元へ戻った。


 人魚にリンゴを手渡すとパァッと顔を晴れさせて齧りついた。


 お腹が落ち着いたので話を聞くと人魚はニアという名前のようだ、ただのニア、人魚魔法という独自の魔法が使えると言う。


 リンゴのお礼に見せてもらう。


「フット」


 ニアの腰から下が人の足になった!おぉ凄いと思わず拍手する。


 もう一つは攻撃魔法だと言い、耳を塞いでと言われたので従った。


「ノイズ」


「あぁぁ、うるせぇぇぇぇ!」


 耳を塞いでもうるさかった!人魚だから綺麗な声で歌うとかそんなだと思ってたのに、

最早公害級の騒音だとは思わなかったよチクショウ!


 テヘッと笑うが一気に可愛くなく見える不思議な残念人魚だわ。


 ヤミー、ライ、ドッさんもうるさかったのか砂浜を転がってジタバタしている。


 そんな事をしている内にフウタが戻って来て海の東側の崖の上にミカンの木があったよと報告を受けた。


「ミカン採ってくるから、魚捕って待ってて」


 ニアにそう言って


「ストレングス」


 フウタの案内で東の崖まで駆けていく、この崖の上だと言うので周りを確認する、誰も居ない。


「フライ、ウインド」


 一気に上昇して上着を脱ぎ生って(なって)いるミカンを多めに採る。


 20個程のミカンを採って上着に包むと崖を降りてニアの居る場所へ戻った。

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