52 ガンジ・モンベル
孫に抱き着かれて嫌がる爺さんは殆ど居ないそれが女の子なら0%だと断言しよう。
「こっこっこっ、この子がワシのまっまごけ?」
「あははーお爺ちゃんコッコみたい」
爺さんの語彙力も限りなく0%になっていた。
灰汁が抜けたように厳つい爺さんの顔がデレたのを見てサクッと切り出した。
「始めましてお爺ちゃん、ジュリオです!僕も会いたかったよ〜」
我ながらかなりわざとらしいが、初対面の爺さんには効果は抜群だ!
「こっこっこの子もワシの孫け!?」
「挨拶が遅れましたお父さん、ダルク・ブラウゼアと申します」
「フン!」
即座に顔色が曇った爺さんだった面白い。
「おとん!それは失礼じゃけ!」
セリーヌが怒気を込めて言うと、ウッと押し黙ったがかなり効いたようだ、昭和のコントか!?
生まれた村へ戻ったからか、普段話す言葉遣いが変わってるのも面白くてセリーヌを見て笑ってしまう。
「ワシはガンジ・モンベルじゃけ」
どうやら語尾に(け)を付けて話す事が多いようだ。
「あははじゃけーじゃけー」
リーネの行動や一言で場が和むと
「ここじゃ何だ入るけ」
と一番手前の部屋に案内された。
部屋に入ると殺風景で物は殆ど置いてない、質素と言うよりも必需品以外は何も無い部屋だった。
「フン、水はあるが茶は無いけ」
とコップを五つ持って来てアクアを唱える。
「あーお爺ちゃん私と一緒だー」
ガンジの背中に乗っているリーネがそう言うとニヘッと笑い
「そうけ一緒け〜」
と顔を崩している ヤバいなリーネマジ最強だわ!爺さんキラーと言っても過言じゃない。
ガンジ・モンベルの左肩には水の精霊が付いて居た、漁村だからかな?
「リーネちゃんは今いくつけ?そうけそうけ〜、もう魔法を使えるのけ〜?凄いの〜天才じゃけ〜ウンウンそうけそうけ〜何じゃと!?風魔法も使えるのけ〜?大魔法使いじゃの〜ウンウン」
最早他の誰も見えていない様にリーネだけを相手に話すと厳つい顔の口角がずっと上がっている。
「おとん10年ぶりけ、元気そうで何よりじゃけ〜」
と、やっと親子の会話が始まった、リーネにノックアウトされているガンジ相手に終始優勢に話出すセリーヌは10年ぶりの親子の会話を喧嘩なんて無かったかの様に事の経緯を話進めた。
ダルクはほぼ空気となっている。
何やかんやと1時間程話をしていたと思う、そろそろ切り出してもいいかとジュリオはカードを切った。
「お母さん〜お腹すいた〜」
必殺何か食わせろ(魚食べたいなぁ〜出てこないかな〜)だ!
「あっ、そうけもうそんな時間じゃけ、おとん何かあるけ?」
魚を期待していたのだが僕らが来たので漁に出られなかったガンジは特にこれといった食べ物を残してなかった。
「あっそうじゃけ!」
お土産の一部をゴソゴソ漁ったセリーヌは、はいこれとリンゴを手渡してきた違う違うそうじゃそうじゃな〜い!
必殺技が思わぬ形で躱され迎撃されてしまったが、空いたお腹を満たすリンゴを受け取らない訳にもいかず黙って齧った。
美味しそうなやつを厳選したので甘いはずのリンゴがとても酸っぱく感じた…。
仕方ない、次の手段だ!
「お腹も膨れたから僕外で遊んでくるね〜」
そう言って返事も聞かないまま四体を引き連れぴゅーっと家の外に出た。
外に出て朝見た海の方へ歩いて行く、海に着くまで何人かの村人に会い挨拶を交わす、かなりの確率で村人には水の精霊が付いている特に男性は非常に高確率だ。
ブラウゼアの街では人付きの精霊を殆ど見掛けなかったがここは漁村だ、海と根付いているのでそんなもんか?とあまり気にすることもなかった、ボロボロの服は気になったが。




