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老後生活からの異世界転移は即死スタート!?  作者: マグロちゃん
第四章 ロック鳥

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46 解体後

「水だ、水をくれ」

「僕にも!」


 解体作業の血でグチャグチャな二人はリーネが外に用意してくれた桶の水で、バチャバチャと身体を洗うと見る間に桶が血で染まる。


 こりゃ全然ダメだと直接リーネに強めのアクアで水を掛けてもらい、頭からジャバジャバ洗い流す、足元ではフウタを抜いた四体も身体を洗っていた。


 二人共素っ裸だがそんな事言ってられなかった、ついでに道具や斧の血も洗い流す。


「お母さーん台所から灰を持ってきてー」


 リーネにもう一度桶に水を溜めてもらうと、セリーヌが持ってきた灰を桶に落とし身体をもう一度洗う、ダルクにも使わせた。


 ライフハックで聞いた事のある石鹸の代わりだ、成る程なんかヌルヌルする気がする。


 身体全身を洗ってからリーネにもう一度洗い流してもらい布で拭く。


 やっと身体が綺麗になったダルクとジュリオは、リーネにありがとうと言ってから顔を見合わせると、ハイタッチして笑った。


 かなり大事(おおごと)にはなったがとんでもない金額になるだろう、荷馬車がブラウゼアに着くまではまだ暫くかかるし、明かりの付く魔導具も持ってるからちゃんと進んでるはずだ。


 お目当ての羽根も荷物の中に必要な二束分を確保してある。


 やっとこれでモンベルへ行って魚が食べれる!魚の味を思い出しながらニヤニヤ笑みがこぼれていると、いつの間にか目の前に居たセリーヌから頭頂部にチョップを食らった。


「だらしない顔をして何考えてるの?」


 解体前は時間が無く叱るに叱れなかったセリーヌから危ない事はしないでくれと釘を刺された。


 僕だってしたくてやった訳ではないが、やらかした事にはかわらないので素直に謝っておく。


「はぁでも、困ったわね、この先お父さん下手したら英雄よ?」


 とんでもない言葉が飛び出す。


「へ?」


 気の抜けた返事をしていると続けてセリーヌが話し出す。


「討伐隊を編成して倒すようなロック鳥相手に単身で倒したなんて説明したんだから当然でしょ」


 ピシャリと言い放った。


 ダルクに視線を向けると先程ハイタッチした陽気な顔が一転思い出したのか頭を抱えて机に突っ伏していた。


「あーそうだよな、それは避けれないよなきっと」


 とんでもない金額が手に入るのを想像して喜んでいたダルクも、過分な称号が自身に付きそうな心配に潰れそうになっている。


 だって本当は僕が倒したんだもんな。


「ご、ごめんなさいへへへ」


 セリーヌと比べかなり軽いが謝っておく、大抵男は父親より母親の方に媚びを売るのだ!


 先程リーダー気質を見せまくってた男と一緒とは思えない程うだついていたが、そろそろブラウゼアに荷馬車が着くだろう。


 はぁ~と長い溜息を付いて立ち上がった。


 ブラウゼアの商店で査定を受けなければならない、そこに当人が居なければ話が出来ない。


 荷馬車へ報酬の支払いもしなければならないし、ダルクはまだまだやる事が残っている。


「よし行くぞ」


 何故か此方を見ながら言ってくる。


「へ?」


 まさかまた僕を連れていこうと言うのか?


「事の顛末(てんまつ)は最後まで見ないとな?」


 ニヤリと悪い顔をしたダルクが最後まで付き合えと言った。


 実際ダルクは相当疲れてるしブラウゼアの街までは片道2キロある、往復したら4キロだ、査定受けつつそれだけ歩かなければならないのは苦痛以外の何者でもない。


 夜なら見られる心配はないから飛べるのだ。


「それにお前の精霊だって向こうにいるだろ?迎えに行ってやらないとな、それだけじゃない、余計な話はしたくないんだよ、お前が居れば引き合いに出して小さい息子が一緒に居るからと断れるだろ?」


 フウタは放っといても勝手に帰ってくるのは知ってるが、話を聞きたい人々を躱すには僕が都合良いのもわかる。


「わかりました、お父さん」


 素直に付き合うか。

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