28 領主様って大抵そんなもん
ジュリオ・ブラウゼア名前の意味は当然ながらジュリオ・ブラウゼアだ。
だからこの街はブラウゼアだらけなんだけど、領主とかそういった肩書も持ってる人は名前が更に続く今目の前に居るコイツ
レオン・ブラウゼア・サンジェルみたいになる、ついでに男爵だそうだ。
「オホン、そこでだワシが後見人になっ」
「お断り致します」
なんか好き勝手言いすぎて話全然聞いてなかったけど、結局そういう事だよね
話してる最中で被せちゃったけど、いいよね?
「そうかそうかそれじゃ早速えええぇぇぇ!?」
まさか断られると思わなかったのか領主がボケツッコミをしてきた。
「何故じゃ?こっこんなに好待遇な話を。」
そう言って書類を見せてきたが抜け穴だらけだった、こっちはおかしな契約やオレオレ詐欺を10年以上撃退してきた猛者だぞ?そんな話に乗るわけがない
そもそも急にこんな話が出てきたのも親和の儀で前代未聞の4属性持ちの秘匿性がバレてしまったからだ
神父のゼーレ様が壊れすぎてベラベラ話てしまったからなんだが。
誕生日を5日過ぎた朝に領主からの手紙が届いて今日領主邸に来るようにだと
困り事にはなったけど、あぁいった錯乱状態の人を責めても仕方ないし、今回は自分で乗り切る事にした。
「失礼ながら領主様この書類の個々と個々、あとこっちに小さく書いてあるコレ、あと裏面のコレは何でしょうか?」
トントン・トン
と指を指しペラリと書類を裏返してニコニコ笑顔で領主に問いただす
「あ〜オッホン、こっこれは執事のベルが作った物でな、ワシはそれ程詳しくないのだ。」
めちゃくちゃ目が泳いでいた。
「作用でございますかぁ〜領主様、ただ私まだ5歳でして将来の夢は父の後を追い狩人になるのが夢なんです〜」
「か、狩人なんてそんな勿体ない!」
「お言葉ですが、領主様この街を潤してる者はそういった職業に付いてる大多数の者達で御座います、それを蔑ろにするのは領主様の沽券に関わると思われますが?」
あくまでも丁寧にニコニコ笑顔で追い込むのだ!
「それと、書類に不備が有るようなので、これ以上深い話は出来かねると思われますが如何でしょうか?」
後ろで両親と姉が聞いたことのない言葉遣いに意味も分からず直立不動で固まっていた。
「ウェッホン、それではもう一度書類を造らせよう。」
「お言葉ですが私の夢は先程も申しました通り父の後を追い狩人になる事でして、お気遣いは無用で御座います。」
このタイミングだと更に付け加える
「あぁそうそうこの街の外の広場あのクレーターはたいしたものですよね」
フウタがエアーバーストで起こしたクレーターは今や観光名所になってブラウゼアの街の資金源になっている
「あれ、起こした者に多少心当たりがありますので、綺麗に埋め直すように話しておきましょうか?」
馬鹿じゃなければあの規模のクレーターを造る者と知り合いで、尚且つその者に話を持ち込める力が此方にあると気付くはすだ!まぁ相手はフウタだが。
「い、あっ、や、それは結構だ。」
「それでは本日は私の為にありがとう御座いました、今後共領主様とは良い関係が続くのを期待します。」
ジュリオは部屋から出る前にヤミーに指示を出す、部屋の隅にいる闇の精霊達にこの領主が悪巧みしたら直ぐに伝えるように言っといてくれる?
ドッさんはそこの植物の所にいる土の精霊にこの領主から僕の名前が出たら腹パンするようにと
アフターフォローを忘れない
ニコニコと立ち上がり頭を下げ席を後にし
た。
ジュリオ一家が部屋から去るとレオンが執事を呼んだ
「ベル!ベルはおらぬか!?ベル」
「はい旦那様」
「何じゃあの小僧は!小僧だから簡単に転がせられると申したではないか!」
「しっ、失礼しました旦那様どういたしましょうか。」
「あのジュリオの奴を…」
ドボッ
土の精霊の右拳がレオンの腹に突き刺さっていた。
「だ、旦那様〜!?」
腹を抑えて蹲っている領主を見てベルがあたふたとしている