第5話 ピラトゥス山の竜
ということでやってまいりましたよ。このドラゴンの紹介を。吹奏楽やってる人でしたらこのドラゴンは外せませんよね。ピラトゥス山の竜。イエスキリストを張り付けにしたお方は死後なぜかイスラエルから遠く離れたスイスの山に追突したとされます。その山は禁則地で毒を吐く竜や人間を襲う竜もいるのですが勿論遭難者を助けた竜もいるわけです。その人間を助けた赤竜がピラトゥス山のシンボルとなり今ではケーブルカーにも竜の絵があるわけですよね。
余談ですがフランス国境沿いにはシャヴォンヌ湖の白竜も居て竜を恐れない勇敢な乙女は乙女が授けたお菓子などをそっともらう竜が居ます。やっぱスイスの竜も他の地域と違うわけですね。やっぱり完全な悪竜にされなった竜たちが居るのです。それもより山岳地帯に行けば行くほどです。
12世紀に禁足地になって19世紀に解禁になった地ですが実はピラトゥス山は竜だけでなくエルフやニンフや幽霊も居たという事。エルフという点がポイントでよき精霊なのです。
もちろんスイスのすべてのドラゴンが善なわけがなく聖ジョージ系の竜伝承も当然あります。中には「一つ狩りに行こうぜ」とばかりにタラスクという幻の毒竜を倒すクエストが近世期になるとそこら中に貼られたこともあったのです。スイスというのは金融国家になる前の中世~近世初期ではまだ「傭兵国家」でそれぞれ別の君主に使えるフリーランサーだらけの国でした。傭兵を組むにはパーティーを結成し傭兵を通じて国から給料を支給されます。現代の派遣制度に繋がるものですがスイスはこんな事もやっていたのです。
私はピラトゥス山の竜達が怒こる理由がなんとなくわかります。だって「一狩り行こうぜ」なんて言ってる連中に命を落とされたいか? 命を愚弄するなって竜は怒ってたに違いありません。そんな竜も村人には優しく接して助けたのですからぐう聖ですよ。