第10話 カンヘル竜
何と中米ではセルピヌスというカンヘルを作り出しさらに子孫の四匹のカンヘルを支配させたと言われています。四匹のカンヘルの名前はそれぞれ……。
「赤いパワフトゥン」西
「白いパワフトゥン」東
「黒いパワフトゥン」南
「黄色いパワフトゥン」北
と言います。我々東洋人は北=玄武=黒という認識なので頭が混乱しますね。なので分かりやすく天使名別に色と方角も付けて見ました。いかがでしょう。ちなみに風の天使です。なお神が天地を創造した時まだヤーヴェとセルピヌスとイエスキリストしか存在してないという世界になっております。
これがマヤ神話とのミックスです。パワフトゥンとは元々東西南北を支えていた神様の名前です。そのくらい元の信仰が強くなんと天使(もちろん天使の輪もあり)の後ろに蝙蝠の翼に竜の尾と鉤爪をが追加されました。カンヘルとは本来権威の象徴である竜を先端にかたどった杖の事らしいが。これを率先してスぺイン人宣教師が広めたというのだから実に面白いですよね。普通ならそんなことヨーロッパでやったら異端認定ってなるのですが認めた。どういうことでしょう。
――総本山のバチカンは分かっていたんですよ
ヤーヴェの本質は竜神、天空竜であったことに。ユカタン半島が拠点のマヤ文明崩壊後のメキシコってこんなことになっていたのです。ユカタン半島を出ると当然メキシコ湾で対岸のルイジアナに住むネイティブアメリカン達もヤマ文明やアステカ文明の恩恵を受けていました。よって中米とは言ってるけど実は北米にまでこの神話は広がっているんです。しかも当時のテキサスはまだスペイン領ですからね。
※筆者注:いきなり地図表記を見ると「アメリカ湾」 (Gulf of America)表記となっていてびっくりですが正直メキシコの方々はどう思っているのでしょうか。私はなるべくアメリカ湾表記にはしません。地名には歴史的意味が伴います。
なおマヤ文明の真の創造神はククルカンで実はアステカ文明から伝わった神です。アステカ文明ではケツアルコワトールという有名な神様です。ククルカンをクグマッツ表記にすることもありますがここは「ククルカン」という有名な名前で統一させてください。ククルカンはキニチ・アハウという太陽神より偉いのですから凄いですよね。風を司ります。もう分かって来ましたよね。風神の方がなんで上になっているのかと。
そう、次の紹介は中北米最強の竜神の紹介になるんです。




