表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤と青のコード  作者: 異伝C
1/17

プロローグ

むかしむかし、あるところに鬼の国がありました。

 

 それは太陽がさんさんと照り、獣たちが野を駆け回るような幾百の中の一つの日。

 一匹の獣が、それはそれは大きい岩の前に佇んでいました。 その岩には何か文字が刻まれていましたが、獣には文字が読めませんでした。

 しかし獣は、この岩が小さい頃から好きだったのです。

 この場所に来れば、なんだか温かい気持ちになる。 誰かに見守られているかのような、そんな気持ちになれる。 だから獣はそこによく来ていました。


「そこの獣」

 ある日いつものようにその岩にいると、後ろから鋭く突き刺さるような声が聞こえました。

 獣は驚き、すぐに後ろを振り返ります。 そこには、〝女〟が居ました。

「この場所はお前のような獣が来る所ではない。 すぐに立ち去れ」

 しかし獣には女の言葉が分かりません。

「聞こえぬか? すぐにここを離れよと言っている」

 獣は恐怖からその場で腰を抜かしてしまいます。

「我の言葉がわからない? ならばお前に言葉と文字を教えてやる」

 女は獣へ手をかざします。

「これでどうか? お前は言葉と文字を理解し、危険から身を守る術を考える事ができるようになった。 さあ、私の言葉を理解したなら早くここから立ち去る事だ」

「眩しい」

「なに?」

 獣の口から初めて言葉が発せられました。

 本当に眩しいわけではありません。 なぜだかわかりませんが、ついついその言葉が出てしまったのです。

「私はここが好きだ。 温かいからここによく来ていた。 あなたもここが好きなのですか?」

 獣は女に質問をしました。

突然、獣の中に様々な疑問が生まれ、その疑問を解決したい衝動に駆られます。

「面白い獣だ。 ここが何であるか気になるか?」

「はい。 気になります」

 女は獣に近づき、そして言います。


「ならば教えよう。 この岩の謂れを」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ