2話 日向神社
ひとこと
めいです!
今回もよろしくお願いします!!
「仕方ない、…疲れたし寝るか」
庵は果てしなく続くかもしれない真っ暗な床に、体を横に寝かせて眠った。
しーんと、静かな空間に、とんとんとんと、階段をおりる音がする。
なるほど、外は見えないけど、あいつが聞こえる音は俺にも聞こえるのか…。
庵は再び目を閉じて、眠った。
目覚まし時計が鳴る。
もう朝か。
目を覚ますと、俺はいつもの自分の部屋のベッドで寝ていた。
スマホを見ると、時間は10時半で遅刻かと焦った。けど日にちを見ると今日は土曜日で、
休日と知ってほっと胸を撫で下ろす。
1階に降りて、裕香理さんが作り置きをしてくれた朝ごはんを食べる。
まあ、もう昼だけど。
スマホのニュースを見ながら朝ごはんを
食べていると、神社のニュースが表示されていて、思い出す。
「あ、そういえばなんとか神社に行かないといけんかった気がする…」
俺がぼーっと考えていると、
「日向神社だよ」
また俺と同じ見た目のやつの声が
頭に響いて驚く。
「え、どこ!? 」
「いないよ、今昼じゃん」
「あ、そうか…。そうそう、日向神社。
日向神社ってどこなんだぁ? 」
「調べなよ。あ、そうそう、日向神社では、お面が有名なんだって」
「へ〜」
俺がスマホのマップアプリで「日向神社」と調べると、意外と近くにあるのが分かった。
「徒歩で18分…今日行くか」
「やったー! 」
顔は見えないけど、とても喜んでいることが分かる。
「あとお前…名前なんて言うんだ? 」
「ツキだよ。月が出たら入れ替わるからね」
「わかった。ツキな」
服を着替えて、バックを持って、靴を履いて日向神社に向かう。
「ここだよな」
「俺、見えないから分かんない」
「あ、そうだった」
目の前には美しい朱色の鳥居があって、鳥居にたてかけてある扁額には、「日向神社」と書いてあった。
きっとここの事だ。
俺は鳥居の奥に足を踏み入れた。
「社務所…に行けばいいのかな」
俺は社務所を探して歩き回った。
しばらく歩き回っていると、
小さめの和風な建物に、「社務所」と
書いてある大きな看板がついている建物を
見つけて、そこに行くことにした。
「いらっしゃい。どうなさいましたか」
建物の中に入ると、巫女服を着ていて、小柄で栗色の髪を二つ三つ編みしている少女が声をかけてくれた。ここの巫女さんだろう。
「あの…お面が欲しいんですけど」
「分かりました!少々お待ちください」
その少女は元気に返事をして、社務所の奥に行った。
三分ほどして社務所の奥から出てきて、
「日向神社」と書いてある紙袋を持ってくる。お面が入っているのだろう。
「1000円になります」
お金を渡すと、その少女が受け取って、
俺にその紙袋を渡してくる。
「ありがとうございました…。あ、あの…」
「どうかしましたか? 」
俺が呼ばれて振り向くと、
「あなた、最近不思議な夢を見ませんでしたか? 」
「え、あ…、そういえば、青い月と赤い月の夢をこの前見ました」
「…そうですか」
少女はそう言って、少し顔を俯かせた。
「何か、ありましたか? 」
「いえなにも。すみません、ありがとう
ございました〜」
少し不思議に思ったが、俺は社務所を後にした。
「ねえ君」
後ろから声が聞こえて、振り向くと、スーツを着た長身の男の人がいた。
声の主は彼だろう。
「はい」
「ちょっとその紙袋の中見せてくれる? 」
「え、あ、はい」
「駄目だ」
紙袋の中身を見せようとすると、いつも通りの
ゆる〜い感じの口調ではなく、人が変わったように慌てた声でツキがいう。
「すいません、これ、大事なものなんで」
俺はさっと紙袋を手前に持ってきて、紙袋の持ち手をぎゅっと握る。
「…お面、なんだろ? 」
なんでこの人、分かってるんだ…?
続く
あとがき
またまたちわっす。めいです。
2話です。結構プロットも進めてきてますし、いい感じですよ〜!
いやーやっと、ツキくん、
庵の形になりました!!!!
やっと1つ願い事が叶えられた…とわたくし
めいもほっとしております。
またこれからも、がんばって続きを書きますので、よろしくお願いします
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嬉しいです!
ここまで読んでくださり
ありがとうございました!
また次のお話もよろしくお願いします