1話 ドッペルゲンガー
ひとこと
こんにちは!めいです!!
初投稿です
そこには、真っ暗な夜空に、青く光る月がぽつんと浮いていた。
聞いたことがある、どこか懐かしい声で
その人は言う。
「青の月には長男を」
その声に俺はゾッとして、サーっと
血の気が引く感覚がする。
なんでだ?
青く光っていた月は赤く光り、また、
同じ声が夜空に響く。
「赤の月には長女を、
この布に収めたまえ─」
「やめて、いたいよ
なんで庵じゃないんだよ
おれとおなじ─」
「はっ! 」
最後、俺の名前が呼ばれた?
なんなんだ今の夢は…。
目が覚めた俺の体には、ベッショリ汗をかいていて、涙も出ている。息切れもすごい。
時計を見ると、まだ4時だ。
服に汗がついていて、気持ち悪いから
1階の浴室で、シャワーを浴びることにした。
服を脱ぎ、鏡を見ると腕には黒の丸い刺青?のようなものがあった。
不思議に思ったけど家族は寝てるし、起こして言う訳にも行かないなと思ったので、そのままシャワーを浴びる。
これが朝シャン、ってやつか。
なんだか新鮮な気持ちだな。
さっきの夢はなんだったんだ。
いや、考えたらダメだ。
考えてはいけない、気がする。
俺は必死にその夢から目を逸らした。
勉強やら運動やら、色んな事をしていたら、もう6時になっていた。
「庵くん?今日は早いね。おはよう」
「おはようございます」
俺のお母さん…裕香理さんが2階から起きてきて、目を丸くして言った。
正式にはお義母さんだけど。
しばらくして、父さんが2階から降りてきて、裕香理さんが作った朝食を3人で食べる。
「いってきます」
「いってらっしゃい」
食べ終わって、学校に行く。
意外と時間は早くすぎるもんだな。
自転車を漕いで、学校に向かっていく。
「庵ー! 」
後ろから声がする。
西河だ。西河はオカルト好きで、ずっと
オカルトの話をしてくる。
「んだよ」
「ドッペルゲンガーって知ってるか? 」
またきたよ。
「知らねーよ」
「なんか、自分と同じ顔してて、会ったら死ぬんだって! 怖くね? 」
そのオカルト話をする時に、毎回最後に
「怖くね?」って言ってくるのをやめて欲しい。
「うそくさ…。そんなことあるわけねぇだろ! 」
「いや、分からんよ〜? 」
「はいはい。もう学校ついたぞ」
高校の校門をくぐって、学校の駐輪場に自転車を置いて、学校の中に入る。
2年3組の看板がついている教室に入って、
勉強をする。
朝のホームルームが終わって、しばらくしてから1限目が始まる。
学校が終わって、茜色の空に照らされながら
家に帰る。
俺の”お母さん”って、どんな人なんだろう…
ふと、たまに思う。
なんで、俺にはお母さんが居ないんだろう。
俺を産んだ母親が。
でも、そんなこと考えてもどうしようもない。
そんなこと考えて、お母さんが来るとでも?
そんな事ないだろ。
俺は、止まっていた足を再び前に進めた。
家に着いた。
「ただいま」
「おかえり」
裕香理さんの声がキッチンから響く。
部屋で宿題をしていて、ふと窓を見ると、
もう月が上がっている。
月を見てまた思い出してしまった。
「おい」
自分の部屋には、誰もいないはずなのに、
頭の中で声が響く。
「お前の体、少し借りるぞ」
「なに言って…」
あれ?なんか、ふらふらする…。
バタンと、音が鳴った。
目の前が真っ暗で、前が見えない。
そうか、俺が倒れたのか。
状況を察する。
「いててて…。ここどこ…? 」
真っ暗な場所に俺がいる。
たしかさっき、知らない奴の声が聞こえて…
「よお」
暗闇の中から”なにか”がこちらに近づいてくる。
それは俺の姿で、だけど俺がした事がないような表情をしていて、俺と同じ声をしている。
「は…お前、誰だよ」
その姿に俺は怖気付く。
「俺はお前、湖月庵だよ。これから毎日夜の時間だけ体を借りる。月が出てる間だけね」
「お前何言ってんだよ!俺は俺だろ…!?
お前なんかに俺の体は渡さない!! 」
「…じゃあ、取り返してみなよ」
不敵な笑みを浮かべて言う。たしかに、
今俺が自分の体を操れる訳では無い。
「あ、思いついた!
じゃあ、お前に頼みがあるんだけど…」
「…なんだよ」
そいつは、何かを思いついたような顔で
俺に頼み事を言ってくる。
「1個目は、日向神社っていう神社があるんだけど、そこには特殊なお面があってね。
そこでお面を買ってくれない? 」
「なんで俺がお前のために…! 」
「いや、買って俺に付けさせてくれたら庵と同じ形になって俺がここから出れるんだ。
だから庵も夜はここにいなくても良くなるってこと!どう? 」
「どうって…お前みたいなやつに頼み事されて、従うわけないだろ! 」
「え〜?じゃあ、このままでもいいわけ? 」
「…は? 」
「これからずっと、夜だけここにいてもいいの? 」
たしかに、夜、こんな所にいる訳にもいかない。
学校から帰って、することが沢山あるんだ。
「…わかったよ。じゃあ、何叶えて欲しいの? 」
そう言うと、それはとても嬉しそうな顔をして
「やったー!じゃ、俺は飯食ってくるから。ずっとお腹すいてたんだよな〜…。あ、大丈夫!俺とお前は体が連携されてるから、俺が食べたものの味もするし、俺が食べたら腹も減らない」
と言って、俺と同じ姿のそいつは、また暗闇に消えていった。
今日の夜はここで過ごせって言うのかよ…。
そういえば、西河の、「ドッペルゲンガー」
って、これの事だったのか…?
続く
あとがき
またまたこんにちは。作者のめいです。
小説を書く時は、言葉選びが大変でしたが、
とても楽しいです
続きを書くかは、気分次第ですが(絶対ダメ
この話は結構話を繰り広げるつもりですので、出来れば最後まで書きたいです。
いいね、感想、ファンアートなどくれたら
とても嬉しいです♡
ここまで読んでくださり
ありがとうございました!
また次回もよろしくお願いしますm(*_ _)m