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付記
“爪”の魔騎士
魔騎士ブラッドベルは、右腕が剣と一体化し、左腕に長い二本の爪が生えていた。
剣を振るいながら、同時にその爪が別の方向から襲い掛かってくるのだ。無尽蔵の体力と合わせて、非常に厄介な相手であったという。
“赤目”の魔騎士
この魔騎士は、やはり右腕が剣と一体化しており、左腕に一つ、赤い目が開いていた。
この目を向けられた者は天地の感覚を失い、強烈な浮遊感とともに弾き飛ばされる。
傍目には真横に吹っ飛んでいるようにしか見えなくとも、本人からすれば高い崖から突き落とされたようなものなのだ。大抵の者ならば、一度これを受ければ、もう生きてはいまい。
尋常ならぬ剣の腕と合わせ、魔王にも匹敵する、いやそれ以上に恐るべき相手であった。