僕の友達
3人とも僕の能力でも大歓迎って言ってくれて良かった。
ここは大きな街で魔物の脅威が他人事のせいか、玉の輿狙いというか良く言えば将来をしっかり考えてるというか、わざわざ進学したのに恋愛のお相手探しに熱心な人が目につくんだよねぇ。
トシズミ君、ミズキさん、アヤメさん、エリカさん、ミサキさんは恋愛に必死な感じがしないから一緒にいて楽なんだ。
トシズミ君は実家がわりと大きな武具の商会で中級オーラ目当てによく告白されてる、らしい。黒に紺の虹彩の切れ長の目が印象的な顔に、濃紺の髪で背が高くしゅっとした体型でクールでカッコいい。顔だけならもっと良い人もいると思うけど、目を引くのはやっぱりオーラが中級だからなのかな。婚約者がいないのもポイント高いしね。
ミズキさんはそんなトシズミ君の幼馴染で一番近い異性だし、大きな黒い瞳に赤紫の髪の可愛い系美少女だから、たまに別のクラスとかの人からからまれたりするけど、スゴい防具オタクで会話するとからんだ人達がひいちゃう。実家も防具屋で筋金入りのオタク語りで嫉妬への防御力もハンパない。可愛い系美少女のミズキさん狙いで声掛けられてもやっぱり防具の話で撃退してる。
上手く捌けなくて困ってるのがアヤメさん。茶色の猫目に薄茶色に橙色メッシュの髪のキリッとした武術が得意そうに見える美人さん。あくまで「見える」で事実は知らないけど。サバサバしてるけど、反面なんていうか女の子特有の微妙な嫌味とかに対応できないみたい。異性には慎重というか警戒心が強い感じなのに、トシズミ君と友達ってだけでやっかまれて大変そう。
それもあって僕を熱心に勧誘したんだね。アヤメさんは薬関係の錬金術を磨きたいらしい。
「父親は魔道具師なんだけどアタシのスキルが錬金術関係だからさ。本格的なのは専科で学ぶけど、基本の体力回復薬と魔力回復薬は専門書を読んで作れるから任せて。錬金術の話もしたいし」って嫉妬避けじゃないちゃんとした理由もあった。
ミサキさんもさっぱりタイプだけど、実家が南方の港町で言葉が荒いせいか迫力あって、からまれても二度目がない。相手をギロリと睨んだ眼光の鋭さにヒェッってなった。エリカさんも「ミサキちゃん本当に早くて強いの」って。
それを聞いてトシズミ君が手合わせしたがったけど「対象を守るのと倒すのは違うし、人間と魔物相手も違う」って断られてた。
ミサキさんとエリカさんは登下校も一緒で本当に護衛も兼ねてるのかも。背が高めでほっそり儚げ美人のエリカさんは婚約者いるし、属性魔力が強いとか色々事情があるかもしれない。