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モヤモヤがようやくまとまった13才

残酷、BL、GLはそれが前提の世界なので念の為です


 

 絶対に心変わりしない相手ってどうやったらわかるんだろう。 


 

 僕がこんな風に考えて恋愛に及び腰なのは両親の影響が大きい。 

 ずっと前に父さんがいなくなった。母さん曰く「真実の愛」に目覚めたらしい。 

 恨みはないけど父さんから捨てられた寂しさや虚しさが僕の中にある。


 母さんは「性別が曖昧な世界だからどうすれば良かったのかわからなくて。ミチオごめんね」って父さんが出て行った日に一度だけ泣いた。


 僕らには当たり前で母さんには難しいこの世界の性別。 

 この国では輪廻転生が信じられてるから前世の記憶があるって言われたらびっくりされても頭がオカシイ扱いはされない・・・と思う。

 だけど母さんの場合は僕たち二人だけの秘密。


 母さんの前世はこことは違うチキュウのニホンという国にいて、そこではヒトの性別は固定だったらしい。

 「身体と気持ちの性別に齟齬があれば手術で変える人もいたし、同性愛者もいたし、その辺に偏見はないのよ。でも相手によって性別の役割と認識がコロコロ変わるってのが、頭では理解できてもピンとこなくてねぇ」というのが母さんの気持ちだ。


 「魔法やスキルがあって魔物がいるのも『異世界』に転生したんだって違和感なく受け入れたけど、オーラ持ちだと性別の役割と認識が変わるのはカルチャーショックだったわ。私はオーラ持ちでも女性の認識しかなかったから。まぁ下級だからかもしれないけど」



 この世界にはオーラを持つ者が7割いて、オーラのランクは大まかに上·中·下級という階級がある。上級オーラ持ちのメリットはとにかく異性にモテる事。同性なら「カリスマ性がある」とか「惹き付けられる」って感じ。


 ややこしいのが上のランクは下のランクの者を女と認識する事が多いって事。とはいえ好みもあるし、同性や役割の逆転が生理的に受け付けない人も多い。そもそも浮気じたい褒められた事じゃないし、子供を捨てるなんて尚更だし、父さんみたいな例は顰蹙を買う。オーラ持ちのデメリットの一つがランクが上になるほど子供ができにくい事。この世界ではオーラ持ちも魔力持ちも基本的に子供は大切にする。「天才」とか「美人」みたいな生まれつきの良い個性って認識だから。


 「真実の愛」の相手と結ばれたら今まで一緒に暮らしてた家族はどうでもよくなるの?それはうちの父さんだけ?この国は人間と魔物の住む領域を分けてるけど、時には魔物に襲われ死ぬ事もあるんだよ?だから家族や近隣住民はお互い様で協力して助け合う。常に安全じゃない状況で恋愛が一番大切なの?それくらいオーラ持ちは「真実の愛」の相手と巡り合うと二人の世界になっちゃうの?

 

 

 僕には恋愛が全てに優先する「真実の愛」が不可解でどっちかといえば不愉快なものに思える。

 

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