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ライスシャワー物語 『疾走の馬、青嶺の魂となり 天に駆けた孤高のステイヤー』  作者: 風花 香
最終章 6歳 生涯最高のかけがえのないゴール そして……

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明日への希望 回る運命の歯車

 天皇賞を勝ち、GⅠ3勝目を挙げたライスシャワー。

 一つの世代にGⅠを3勝する馬なんてそうそういません。ライスシャワーは紛れもなく一流の実績を残した名馬です。


 にも関わらず短距離型のスピード種牡馬が求められる時代において、これだけの実績があってもライスシャワーの未来は暗いままでした。


 しかしここでライスシャワーに一筋の光がもたらされます。

 それはなんとJRAが全面バックアップでライスシャワーを種牡馬に引き上げるということでした。


 ついに、ついにライスシャワーにも明日が訪れたのです。

 種牡馬になったとしてもそれほどの人気は出ないかもしれませんが、ライスシャワーは安らかな余生を送る環境をついに手にすることができました。


 ライスシャワーの頑張りが、陣営の努力が報われた瞬間でした。


 ここで、陣営は一つの決断を迫られます。

 それは春競馬の総決算、グランプリ宝塚記念の人気投票で、ライスシャワーが1位をひた走っており、出走を求められたのです。


 天皇賞(春)をギリギリの走りで制したライスシャワーの体調はそう簡単に回復せず、陣営としては宝塚記念は回避することを考えていました。


 しかし、様々な要因がライスシャワーを宝塚記念出走へと駆り立てます。


 まずはやはり人気投票で1位になっていること。明らかな怪我も体調不良もないのに、1番人気の馬が出走回避することは競馬界にもファンにも申し訳ないことです。

 更に近走としては望外の軽量で走れる事。阪神大震災の改修工事の為、例年ならば阪神競馬場で行われるはずが、この年はライスシャワーが得意としている京都競馬場で開催されることになったこと。


 様々な要因が重なり合い、運命の歯車はライスシャワーを宝塚記念へと迎えました。


 

 


 

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