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ライスシャワー物語 『疾走の馬、青嶺の魂となり 天に駆けた孤高のステイヤー』  作者: 風花 香
最終章 6歳 生涯最高のかけがえのないゴール そして……

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勝負の行方 僅か16センチ

 ジョッキーたちは例えハナ差の勝負だったとしても勝ち負けがわかると言います。


 しかしこの時的場騎手は勝ったのか負けたのか明確にはわからなかったと言います。

 内外大きく離れていた事もあり、多分残っていたんじゃないか?(リードしていたんじゃないか?)くらいの認識でしかなかったといいます。

 更に不安に拍車をかけるかのように蛯名正義騎手のガッツポーズです。


 ゴール直後のライスシャワーは、まるでボロ雑巾のような有様で、全てを出し尽くしたというのが一目見て伝わるほどでした。


 あんなへろへろになるまで頑張り抜いたのに、ライスシャワーは勝てなかったのか?


 しかし、ゴールの瞬間にライスシャワーの勝利を確信した人もいました。


 観衆の中の男性がまずその一人です。この人の一人での的場コールは一聴の価値有りです。

 そしてもう一人が実況を担当した杉本清アナウンサー。


「やったやった! ライスシャワーです! メジロマックイーンもミホノブルボンも喜んでいることでしょう! ライスシャワー今日はやったー」


 と、ゴール直後に実況しました。

 まあ、もしライスシャワーが負けてたら平謝りするしかないと覚悟していた、なんて話もあったりなかったりですが。


 そして1着2着は写真判定となっていましたが、結果はライスシャワーが僅かに先んじてゴールしていました。


 着差はハナ差。それは僅か16センチでしたが、ライスシャワーにとっても、関係者にとってもかけがえのない16センチとなりました。


 ブルボンを、マックイーンを倒した俺がここで負けるわけにはいかない! 消えかけた闘志に火が付き、プライドをかけて最後の最後まで脚を伸ばした末の16センチは、ライスシャワーという馬の本質である気力で走るを体現したものだったと思います。

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