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ライスシャワー物語 『疾走の馬、青嶺の魂となり 天に駆けた孤高のステイヤー』  作者: 風花 香
最終章 6歳 生涯最高のかけがえのないゴール そして……

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燃え上がる闘志

 1コーナーから2コーナーを曲がる頃には、1番人気のエアダブリンは引っかかったまま2番手まで上がり、2番人気のインターライナーは4番手の好位。ライスシャワーも差のない6,7番手を追走していました。


 先頭から殿まで殆ど差のない団子状態で通過した半分の1600メートルはややスローペースといったところでしょうか。


 実力ある逃げ馬が不在の為、積極的にレースを引っ張る馬がいないのです。

 それがわかっているからこそ、後方で差し脚自慢の馬たちも前の馬にくっつくように走っていました。


 スローペースのままレースが進めば前の馬たちもスタミナのロスが少なく、最後まで脚が衰えず差し切れないからです。


 それはレースが始まる前から全てのジョッキーが予想していた展開だったのでしょう。


 道中スローでのらりくらり、ラスト800メートル辺りからのペースアップ、直線向いてのよーいドン。


 しかし、1頭の馬がその展開を良しとしませんでした。

 この瞬間に至ってはジョッキーがではありません。正にその馬だけが良しとしなかったのです。


 黒鹿毛の馬体に闘志を秘めた、ライスシャワーです。

 向正面に至り、ライスシャワーは外目を突いてぐんっとスピードを上げました。


 それはここ、淀の3000メートル以上の舞台で数多の強敵と真のステイヤー戦を戦い抜いてきたライスシャワーから全馬への果たし状だったのかもしれません。


「遅すぎる。こんな日和見な展開じゃあ長距離戦とはいえないだろ? 本当の長距離戦を俺が教えてやる。付いてこられるやつは付いてきてみろ」と。


 かつての宿敵(ライバル)、ミホノブルボンやメジロマックイーンの背を追って走っていたライスシャワーは、全馬の目標に晒されるその役目を一身に背負い、春の天皇賞後半戦へと突き進むのです。

 

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