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ライスシャワー物語 『疾走の馬、青嶺の魂となり 天に駆けた孤高のステイヤー』  作者: 風花 香
最終章 6歳 生涯最高のかけがえのないゴール そして……

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50/64

天皇賞(春) 出走

 降りしきる雨も上がり、18頭のゲート入りを待ちます。

 ライスシャワーは2枠3番、奇しくも2年前にメジロマックイーンを破った時と同じ枠順でした。


 各馬順調にゲートに収まり、最後に大外枠の馬が入ります。係員が素早く退避すると、第111回天皇賞のスタートが切られました。


 雨に濡れて重馬場となった深緑のターフに、春の盾を目指す18頭と18人が飛び出します。


 確固たる逃げ馬不在のメンバーの中で、大方の予想通り人気薄の1頭の逃げ馬が先頭に立ちました。

 有力馬たちは己の最善の走りが出来るポジションをキープしようと、静かな戦いを繰り広げます。


 人気馬たちの中で一番前につけたのが2番人気のインターライナーです。ライスシャワーは好位7番手くらいに位置どり、その後ろに1番人気のエアダブリンが続きました。

 後門の狼、ステージチャンプとハギノリアルキングは例によって後方からの競馬となりました。


 天皇賞(春)の最初の関門、一周目の坂に各馬差し掛かります。「ゆっくり上がってゆっくり下れ」の格言、正にこの一周目の上り下りを無事に乗り切る際の重要なポイントを表しています。


 上りは無駄な力みを馬に伝えず、下りでは勢いに任せてスピードを上げないように手綱を通じて馬に伝えなければなりません。騎手の腕が問われるポイントです。


 更に坂を越えても試練は続き、正面スタンド前を通過する際には大歓声を浴びます。この歓声に驚き引っ掛からず、この辺りでポジションを落ち着ける事が大切です。


 正面スタンド前を通過する際に最内を走る1頭が前への進出を始めます。

 1番人気のエアダブリンでした。首を上げて前に突き進むその姿は歓声に驚き引っ掛かった状態でした。

 鞍上の必死に抑える姿を見てもそれは一目瞭然です。


 対してライスシャワーは相変わらず好位をキープしたまま追走します。


 そして春の盾を目指す18頭の戦いは半分の1600メートルを迎えようとしていました。

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